Project/Area Number |
01560027
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
園芸・造園学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 信男 東京大学, 農学部, 助教授 (30012040)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ホウレンソウ / シュウ酸 / 硝酸態窒素 |
Research Abstract |
ホウレンソウは栄養価が高く、人気のある野菜であるが、シュウ酸や硝酸の含量が高いため、これまではアク抜きをして利用するのが普通であった。しかし、近年ではサラダとして利用することも増え、シュウ酸や硝酸の含量が低いホウレンソウの需要が高まっている。ところで、シュウ酸蓄積に関しては、植物に吸収された硝酸が還元される際に、体内のカチオン・アニオンバランスを維持するためにシュウ酸が生成するという仮説が提出されている。ホウレンソウのシュウ酸含量と硝酸含量の間に負の相関があることは、この仮説を裏付けるものであり、両者を同時に減少させることは難しいとされてきた。しかし、もし上記の仮説が正しいならば、アンモニア態窒素を用いることによって、シュウ酸と硝酸を同時に減らすことができるはずである。そこで、培養液pHを6に維持し、アンモニアと硝酸を窒素源としてホウレンソウを水耕し、体内のアニオン組成を調べた。ホウレンソウの有機酸としては、シュウ酸がもっとも多く、次いでリンゴ酸、クエン酸、コハク酸の順であった。アンモニア態窒素を用いると、硝酸態窒素を用いた場合に比べ、シュウ酸含量は45%、リンゴ酸含量は15%、クエン酸含量は29%低下したが、コハク酸含量は2.43倍に上昇した。一方、硝酸含量はアンモニア態窒素を与えると、1/6に低下した。このように、アンモニア態窒素を施用することは、シュウ酸と硝酸の含量を低下させる上で有効な方法であることが明らかとなった。しかし、アンモニアを窒素源とした場合には地上部生体重が60%程度低下したことから、窒素形態を変えることによって、シュウ酸と硝酸の含量を低下させる方法を実用化するためには、アンモニア耐性の強い品種を育成することが必要と思われた。
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