Project/Area Number |
01560160
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長嶋 郁 名古屋大学, 農学部, 助手 (00023416)
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Project Period (FY) |
1989 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1989: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 幹曲線式 / 生長過程 / 立木材積式 / 樹幹形 |
Research Abstract |
本年度は、もう1つの調査地を設定し前年度の資料に加え合計40本のすぎについて、生長過程にもとづく材積式の適用性を研究した。Mitscherlich生長過程にもとづく立木材積式に含まれるパラメ-タのうち直径生長極限値と樹高生長極限値には自由性を広く設定してよいとゆう当初の見通しであったが、樹幹形の近似状況から、直径と樹高の生長速度係数比(生長比)の変動が比較的に小さいことに着目した。この新しい観点から、パラメ-タ-のうち樹高生長極限値と生長比を大まかに与え、直径生長極限値はこの両者の関数として決定することを試み、この立木幹材積式でえられた材積推定値を幹材積実測値と対比し、その精度を検証して本式の有効性と問題点を考察した。実材積に対する材積推定値の材積誤差率はー23%から14%の範囲であり、また、40本合計の材積誤差率はー0.36%であった。この誤差は従来の立木幹材積表による結果(1.43%)より優れていた。樹幹形近似によって得られるMitscherlich生長過程の特性を示す直径生長極限値・樹高生長極限値の値は必ずしも現実のものを反映していないが、樹高極限値と生長比を大まかに地方毎に把握しておけば、本材積式の実際への適用してより一層正確に立木材積を推定することが可能であることが示された。パラメ-タの値は現実とかいりするとしても、生物生長の立場から説明できる性格をもつからこの材積式はこれまでのものに比し合理性をもつ。示された誤差の範囲は個々の林木についての樹幹形の変動を反映したものと考えられる。樹幹形の経年変化については、上記資料に含まれる両地区4本づつのすぎを樹幹解析し、その変化を検討したが、全体としては年度に応じる完満化の傾向はみられたが、個々の標本木についての変動のほうが大きく統一的な生長経過は認められなかった。このため、生長経過に対応した、有効な材積の推定方法に関する検討は今後の課題である。
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