Project/Area Number |
01560166
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林学
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山本 福壽 鳥取大学, 農学部, 助教授 (60112322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋詰 隼人 鳥取大学, 農学部, 教授 (60032075)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 乾燥ストレス / 木部圧ポテンシャル / アブサイシン酸 / エチレン / エタン / P-V曲線 |
Research Abstract |
本研究では乾燥ストレス耐性、適応性についてのホルモン生理学的な解析を中心として実験をおこなった。実験ではヒノキ、及びクロマツの苗木を、土壌水分条件を重量法によりpF1.0および3.5に調節して生育させた。土壌水分調節期間は1989年5月3日から約3カ月間である。この結果乾燥ストレスは新葉量の顕著な減少をもたらすとともに伸長、肥大、及び根量の増加を強く抑制した。またp-v曲線から得られた葉の水分生理特性については、ストレス前歴のあるヒノキ、クロマツは対照区にくらべて原形質膜の分離を引き起こす木部圧ポテンシャルの値が低くなっており、耐乾性が高まっていることが明らかになった。これらストレス前歴処理を施した苗木を25℃、湿度45-48%、光量子エネルギ-量(植物上)400μE/m/sec.、14時間日長条件下に置いた。苗木はすべて充分給水の後水供給を断ち、土壌乾燥の進行と木部圧ポテンシャルの変化、およびアブサイシン酸、エチレン及び他の低分子炭化水素の生成との関係を検討した。この結果、ストレス前歴を持つ苗木ではヒノキ、クロマツとも初発原形質分離点を越える以前にアブサイシン酸の濃度が最高値に達することが確かめられた。これに対して湿潤条件で育てられた苗木は原形質分離以降にアブサイシン酸の濃度が最大となった。またエチレンの濃度はアブサイシン酸の変化に同調的な増減傾向を示した。一方、低分子炭化水素のうちエタンは木部圧ポテンシャルが初発原形質分離点を越えて低下したのち急激に増加する傾向が認められた。この結果はエタンの測定がストレスの限界点を知る上で重要な指標となることを示している。以上の結果から、水分欠乏ストレスは苗木葉内のアブサイシン酸をはじめとする植物ホルモン生成パタ-ンを改変し、乾燥耐性を誘起させることが明らかになった。なお成長抑制物質処理はストレス前歴の引き起こしたような生理変化をもたらさなかった。
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