Project/Area Number |
01560183
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林産学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂 志朗 京都大学, 農学部, 助教授 (50205697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 信夫 京都大学, 農学部, 教授 (70026508)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 木材-合成高分子複合材料 / トポケミストゥリ- / ポリプロピレン(PP) / 無水マレイン酸変性PP / ハイドラジン-OsO_4染色法 / 電子顕微鏡 / エネルギ-分散型X線解析 / エステル結合 |
Research Abstract |
最近、木材の有効利用に関する研究の一環として、木材と合成高分子との複合材料に関する研究が進んでいる中、第3成分が少量添加されることで、物性の優れた複合材料が得られることが明らかになってきている。そこで、本研究では、木材-ポリプロピレン(PP)、木材-ポリフェニレンオキシド(PPO)、木材-ジアリルフタレ-ト樹脂などの複合材料を用いて、強度的性質を中心にその物性向上効果を検討をした。その結果、前2者の複合材料では、無水マレイン酸変性PP、無水マレイン酸変性OPPを少量添加することで、強度特性が向上することが判明した。一方、木材-ジアリルフタレ-ト樹脂複合材料では、予め無水マレイン酸を木材繊維に結合させた後、複合化すること及び混練時に無水マレイン酸を加えることにより、強度的性質を向上させることができた。そこで、次に無水マレイン酸変性PP添加の系を中心に、形態及びトポケミストゥリ-的観点から第3成分の果たす役割をより詳しく検討した。すなわち、複合材料中の無水マレイン酸変性PPの分布状態を、ハイドラジン-O_sO_5染色法を用いて調べた結果、木材とPPとの界面が選択的に染色されていることが、電子顕微鏡観察及びエネルギ-分散型X線分析によるOsの分布観察により明らかになった。このことは、同染色法がエステル結合部を染色するものであることより、木材表面の水酸基に無水マレイン酸変性PPの側鎖の酸無水物がエステル結合をしていることを意味している。更に、このことは、木材区分とPP区分の界面に無水マレイン酸変性PPが相容化剤として介在し、両者の接着性を向上せしめているものと考えられる。このような形態的・トポケミストゥリ-的結果は、前述の強度的性質の向上をもうまく説明でき、複合材料での第3成分の相容化剤としての役割を明らかにすることができたと結論づけられる。
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