ニホンウナギの回遊に関する研究-特にその初期生活史と加入機構の解明をねらって-
Project/Area Number |
01560198
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚本 勝巳 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10090474)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | シラスウナギ / レプトケファルス / 日令 / 産卵期 / 成長率 / 耳石 / 耳石日周輪 / 回遊 |
Research Abstract |
フィリピン東方海域で生まれたウナギはレプトケファルス幼生になって黒潮により輸送され、台湾、中国、韓国、日本の沿岸へ来遊する。沿岸で採集したシラスウナギの耳石日周輪を解析して、日令、孵化日、成長履歴を検討し、以下の結果を得た。 (1)海岸時の日令:台湾産シラスウナギの日令は約120日で、日本に来遊するもの(150日)に比べやや若令であった。孵化後わずか4ヶ月でレプトケファルス変態を終え、台湾へ接岸するという事実は、これまで漠然とほぼ1年と信じられてきた本種の海洋生活期の長さを大巾に塗りかえることとなった。 (2)産卵期:1月に台湾でとれたシラスウナギの平均孵化日は9月、3月にとれたものは11月であった。これは日本沿岸でとれたシラスウナギより求めた本種の産卵期(4〜11月)と矛盾しない。1986年9月にフィリピン東方海域でとれたレプトケファルスの孵化時期は6月末より7月の間で、これも日本沿岸のシラスウナギの孵化日の範囲に含まれる。早く孵化した個体程、早く接岸し、採集されるものと考えられた。 (3)成長履歴:耳石日周輪の輪幅を検討した所、80日令を超えるあたりから、輪幅の急増する傾向があった。これは約100日令前後まで続き、この広い輪幅帯がレプトケファルスからシラスウナギへ変態する期間に相当すると考えられた。またレプトケファルス期の成長は直線的で、その成長率は約0.5m/dと計算された。因みに台湾産シラスウナギの成長を直線と仮定して成長率を求めると0.45〜0.5mm/dとなりレプトケファルスのそれと大きくかわらない。このことは台湾にはレプトケファルスが変態した後まもなく接岸している可能性を示唆している。また、このことは変態後の体の縮少がさほど大きくない可能性をも示唆している。しかしながら、これらのことは実際飼育実験により確認しなければならない。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)