西ドイツ農業構造改革における促進要因と阻害要因に関する研究
Project/Area Number |
01560238
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Agro-economics
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
横川 洋 佐賀大学, 農学部, 助教授 (30007786)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 西ドイツの農業構造改革 / 中山間地域 / 農家年金 / 粗放化政策 |
Research Abstract |
西ドイツ農業の構造改革は日本よりはるかに先行している。(1)農家数が急激に減少し、経営規模が拡大している、(2)農家の半数が専業農家、残り半数が安定兼業農家に分かれ、異なった機能を果たしている(前者は農産物販売額の8割を占め、国民の食料供給を、後者は地域社会の安定化要因の役割を果たしている)、(3)食料自給を達成し、過剰問題が農政の中心課題となっている。このような構造改革の促進には、(1)工業界の農業観、(2)農村整備事業、(3)農協の再編成などの要因が貢献した。 しかし、食料過剰問題が農政の中心課題となり、環境保全、景観保全が国民の重大関心となった現在は、構造改革のテンポにブレ-キをかける必要性が認識されてきた。とくに生産条件の劣等な中山間地域は、構造改革の推進原理である市場経済原理にまかせれば、生産条件の優等な平坦地域との競争に敗北し、農業、農村が荒廃し、環境、景観が劣化する恐れがある。そこで構造改革のテンポにブレ-キをかけるべく、市場経済外の手法が農業政策に取り入れられることになった。一方では中山間地域の農家に対する手厚い保護施策であり(定住化を高めるような「農家年金」など)、他方で平坦地域の農業に対する「粗放化政策」である(減農薬、減肥料、減輸入飼料など)。このような構造改革の「阻害」には(4)消費者の農業観、(5)地域分権的経済思考、(6)農民家族経営の理念、(7)環境問題などが貢献した。 西ドイツ農業は、成熟した農業にふさわしい構造改革の新しい段階を迎えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)