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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,代表者らが既に提案している積雪・融雪計算法の積雪・融雪基準要因(積雪基準温度,融雪基準温度,融雪係数の上限値)を融雪流出解析をとおして地域別に同定することを試みた。その結果の概要は以下のとおりである。 北海道地域においては,石狩川水系大夕張ダム流域(433km^2)の解析結果より,積雪基準温度T_1は1.0℃,融雪基準温度T_2は-1.0〜0℃,融雪係数の上限値αmaxは5.5〜6.5mm/℃・dayが妥当と考えられる。ところで,T_2については他の地域でほとんど0℃で良好な結果を得ていることから,北海道地域でも0℃と固定した方が良さそうである。 東北地域においては,最上川水系立谷沢川流域(163km^2),名取川水系大倉ダム流域(88.5km^2),迫川水系栗駒ダム流域(53km^2),同花山ダム流域(126.9km^2),阿賀野川水系羽鳥ダム流域(43.1km^2)の解析結果より,T_1=1.5〜2.0℃,T_2=0℃,αmax=5.5〜6.5mm/℃・dayで妥当と考えられる。 北陸地域においては,関川水系笹ケ峰ダム流域(55.8km^2),小矢部川水系刀利ダム流域(45.9km^2)の解析結果より,T_1=2.0〜3.0℃,T_2=0℃,αmax=6.5〜7.0mm/℃・dayが得られた。北陸地域では研究代表者らによる研究成果で平地部の上越市においてT_1=3.7℃,T_2=0℃,αmax=7。0mm/℃・dayという値が得られており,平地部と山地部では積雪特性の違いがうかがえる。北海道,東北地域ではこのような平地部,山地部での相違はあまりみられない。 以上のように積雪・融雪計算における積雪基準温度T_1等のパラメ-タは地域別に同定することができた。これによって今後,融雪期流量のより正確な把握が可能となる。
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