Project/Area Number |
01560291
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
畜産学(含草地学)
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
葛西 孫三郎 高知大学, 農学部, 助教授 (60152617)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | マウス / 胚 / 保存 / グリセロ-ル / ムチン層 |
Research Abstract |
(1)液状保存のための保存液組成、保存温度、保存容器の検討 細胞非透過性高分子物質の30%Ficollと、低分子細胞外保護物質である0.5M-Sucroseを添加したPBSで、細胞透過性保護物質のGlycerolあるいはEthylene glycolを種々の濃度に希釈した。これらの溶液をガラス試験管、ポリ試験管、あるいはプラスチックストロ-に入れ、-25℃に保持した結果、透過性保護物質の濃度が10%の場合は氷晶が生じたが14%以上では液状〜ゲル状に保たれた。12%では、長期保存した場合に氷晶が生じた。透過性保護物質、および容器による差異はなかった。 (2)マウス胚の非凍結保存 12〜16%の透過性保護物質を含む20あるいは4℃の溶液にマウス桑実胚を浮遊させて5分間平衡後、-25℃の冷凍庫内に2〜7日間保存したのち胚を回収した。対照区では、0℃の0.75M-Sucrose添加PBSに胚を保存した。修正KRB液で胚を培養し、拡大胚盤胞への発育率で生存性を判定した結果、Ethylene glycolを含む溶液で保存した胚は、全く生存しなかった。14-16%Glycerolを含む溶液で保存した胚の生存率は、2日後は高かったが、5日後には対照区以下に低下した。 (3)ムチン層付着マウス胚の非凍結保存 hCG処理した雌家兎の卵管内にマウス8細胞期胚を移植し、8時間後に卵管を潅流してムチン層の付着したマウス桑実胚を回収した。上記(2)の実験と同様の条件下で胚を保存したのち培養して生存性をしらべた結果、ムチン層の付着による効果は認められなかった。 以上の結果より、-25℃保存にはGlycerolが適していることが明らかとなった。しかし、0℃保存を上回る効果を得るには、透過性保護物質濃度を10%以下に低下させた低毒性溶液が好ましいが、一方液状維持のためには高濃度を要するため、このジレンマの解決が不可欠である。
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