Project/Area Number |
01560297
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
畜産学(含草地学)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
福田 芳詔 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (50050620)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 未受精卵 / 凍結保存 / 受精能 / 発生能 / ジメチルスルホキシド / ショ糖 / マウス |
Research Abstract |
マウス未受精卵を1.5M DMSOと0.25Mショ糖を含む凍結培地で、-7℃で植氷、毎分0.5℃で-10℃〜-60℃まで冷却し、液体窒素(LN_2)中で保存した場合、供試卵の融解後の回収率は各温度区で97〜99%であった。回収卵の生存率は、-10℃:29.0%(38/131)、-20℃:61.8%(81/131)、-30℃:39.4%(76/193)、-40℃:64.4%(116/180)、-50℃:76.0%(146/192)、-60℃:84.7%(144/170)で、温度の低下につれて有意に上昇した。生存卵の受精率は、-10℃:78.9%、-20℃:81.5%、-30℃:63.2%、-40℃:82.6%、-50℃:86.2%、-60℃:78.5%であった。受精卵の2細胞期への発生率は各温度区とも高かった(77.1〜96.8%)が、4細胞期への発生率は-10℃区(23.3%)と-30℃区(20.8%)で他区(57.5〜77.3%)より低かった。胚盤胞への発生率は-10℃:10.0%、-20℃:53.0%、-30℃:29.2%、-40℃:60.0%、-50℃:48.0%、-60℃:56.6%であった。-60℃区で得られた胚盤胞114個を9匹の受容雌に移植した結果、8匹が妊娠し移植胚の17.5%に当たる20匹の生存産子を得た。ショ糖を含まない凍結培地で-30℃まで毎分0.5℃で冷却し、LN_2中で保存した場合の回収率は95.8%、回収卵の生存率は64.2%(541/843)、生存卵の受精率は84.1%、受精卵の胚盤胞への発生率は71.3%であった。得られた胚盤胞104個を12匹に移植したところ全例が妊娠し、移植胚の48%に当たる50匹の生存産子を得た。以上の結果より、マウス未受精卵は1.5M DMSOの他に0.25Mショ糖を添加した凍結培地で-60℃まで毎分0.5℃で冷却することにより、脱水が促進され、融解後の生存率が改善されたが、LN_2へ浸漬するまでの時間が長くなったため発生能は低下し、供試卵の胚盤胞への発生率の改善にはつながらなかった(37.4%vs36.8%)。さらにこのようにして得られた胚盤胞の産子への発生能も明らかに低かった(17.5%vs48.0%)。今後はLN_2へ浸漬するまでの脱水に要する時間をさらに短くする凍結法を検討する必要がある。
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