動物体結合組織におけるタンパク質の架橋形成に関する研究
Project/Area Number |
01560303
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
畜産化学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須山 京三 東北大学, 農学部, 助教授 (70005635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 弘 東北大学, 農学部, 教務職員 (80089797)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 動物体結合組織 / エラスチン / 架橋アミノ酸 / アルド-ル架橋 / ピリジニウム塩 / アロデスモシン |
Research Abstract |
動物体結合組織タンパク質は細胞間マトリックスを形成しているが血管、肺、腎臓などの臓器の構築にも関わっている。結合組織タンパク質の架橋は代謝回転の遅い含N複素環式アミノ酸の生体内メイラ-ド反応によって生成されることが明らかにされつつある。反応の初期にはアルド-ル架橋であるα,βー不飽和アルデヒドが生成されると考えられており。本研究ではアルド-ル架橋のモデルとして2ーメチルー2ーペンテナ-ルを用い、リジンおよびアルギニンとの縮合反応を行い、生成したピリジニウム環化合物の分離と同定を行った。その結果、1,2,3,5ーおよび1,3,4,5ー位に分岐したデスモシンおよびイソデスモシンと同一骨格を有するピリジニウムと共にアルド-ル2分子と一級アミンの縮合した2種の新しい型のピリジニウムの生成することを見出し、結合組織タンパク質の架橋構造に同様な骨格を持つ架橋アミノ酸の存在することの予想を立てることが出来た。一方、それぞれ牛項靱帯、大動脈および肺から結合タンパク質であるエラスチンを高速遠心機を多用して分離し、その加水分解物から架橋アミノ酸の分離を行った。液体クロマトグラフィ-液送ポンプを用いた分取用順相および逆相カラムを選択し、至適条件を設定し、架橋アミノ酸の分取および精製を行った。個々の新規なアミノ酸はその構造を機器分析によって明かにした。その結果、分子量655の既知のアミノ酸の中では最も分子量の大きい新規なアミノ酸を分離同定し、アロデスモシンと名称付けた。同アミノ酸は1,3,4,5一位に分岐したデスモシンタイプの架橋アミノ酸であり、アルド-ル架橋が還元され、ついでデスモシンと同様な反応機構によって合成されると推定された。また、同時に分子量411の1,3,5-位に分岐した新規な架橋アミノ酸と考えられる成分と共に、6種におよぶ構造未知の架橋アミノ酸を分離することが出来た。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)