腰リンパ節(大動脈周囲リンパ節)の局所解剖学的研究
Project/Area Number |
01570004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 達夫 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (10004657)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健次 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (20107246)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 腰リンパ節 / 大動脈周囲リンパ節 / 腎のリンパ系 / 大動脈裂孔 / 奇静形と半奇静脈 / 胸管 |
Research Abstract |
成人実習用死体を用い、腰リンパ節(大動脈周囲リンパ節)の局所解剖学的研究を行い、次の結果を得た。 (1)リンパ系と動静脈の関係は次の5型に区別できる。a.動脈伴行型、b.動静脈伴行型、c.静脈伴行型、d.動静脈非伴行型、e,短絡路形成型。発生学的には静脈親和性であるが静脈伴行型は胃結腸静脈幹のみであった。 (2)腹腔動脈ならびに上・下の腸間膜動脈根部周辺では根部にたどりつくリンパ系と動脈に伴行する自律神経が交叉関係をもち、両者の錯綜状態が観察される。大動脈の左右ならびに前面では発達したリンパ節が自律神経を巻き込んでいる。 (3)腹部内蔵のリンパ系が胸管に到達するには大動脈の左右で腹膜下筋膜(腎筋膜)を貫通することになり、腎のリンパ系との関係が問題となる。腎門からのリンパ系は前面よりも後面が発達している。それらは腎動脈根部のリンパ節ならびに右では下大動脈後方に位置する奇静脈周囲リンパ節、左では半奇静脈周囲リンパ節に連続する。これらのリンパ節は大動脈大動脈間リンパ節ならびに外側大動脈リンパ節より外側に位置する。 (4)大動脈裂孔は腹部から胸部に至るリンパ系の主経路であるが、副経路として、横隔膜の左右の脚を貫通する右の奇動脈と左の半奇動脈に沿う上行路が観察され、この経路は腎のリンパ系の主経路として位置する。 (5)大動脈裂孔の上端は腹腔動脈起始部の上縁であり、ほぼ第1腰椎上部の高さに対応する。一方、下端の位置は横隔膜の右脚付着部であり、第2腰椎下部に位置する。左脚は右脚よりも2/3椎体高く、第2腰椎上部に付着する。大動脈周囲リンパ節からの輸出リンパ管は腎動脈の高さで大動脈後面に回り込みながら大動脈裂孔を通過し、第12胸椎の高さで胸管を形成する場合が最も多い。大動脈裂孔内部のリンパ節は大動脈後面に位置するが、その発達度は低い。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)