Project/Area Number |
01570052
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
村上 政隆 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (10104275)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 外分泌腺 / 唾液腺 / 水分泌 / 細胞内Cl / NMR(核磁気共鳴) / シフト試薬 |
Research Abstract |
外分泌腺の水分泌は管腔側膜からのCI分泌が細胞間隙あるいは細胞から水、Naを引き込むモデルが提出されているが、細胞内を通過するCIの動きは明らかでない。今回、化学シフト試薬としてCo(EDTA)を用い、唾液腺細胞内CIのNMR(核磁気共鳴)測定が可能になった。 方法:ラット(オス、Wistar)の顎下腺(0.2・0.3g)を摘出し、定流灌流した(2ml/min、25oC)。8.45Tの高分解NMR装置(BrukerWM360wb)に広帯域プロ-ブを35.28MHzに同調して用いた。細胞内外のClー35のNMR信号を分離するために化学シフト試薬としてCo(EDTA)20mMを灌流液に添加し用いた。 1.Co(EDTA)20mMにより灌流液のCl_ー35のNMR信号は1.245ppm低磁場側にシフトした。静止時の細胞内Clの信号は細胞外の信号の裾に埋もれ観測困難であり、静止時よりの変化を差スペクトルで観察した。 2.acetylcholine lμM投与によりOppmの信号が僅かに増大した。 3.ouabain lmMをAChに重畳すると0.97ppmの信号が連続的に増大した。Oppmの信号の変化は追跡不能であった。細胞外のCI増加は細胞外液区画の浮腫を示している。 4.acetylcholine 1mM投与ではOppm近辺の信号が1μMに比べ大きく増加した。高濃度acetylcholineで細胞内Naの著しい増加を報告したが、同時にClも増加することが示された。細胞内Naは刺激直後急速に増加したが、細胞内Clは10分以降にも増加しつづけた。 今回の実験ではacetylcholineによる細胞内Clの増加が明らかになった。しかし、5%以内と見積られる浮腫が細胞外Cl量を増加させ、細胞内Clの追跡を困難なものにした。これまで高灌流流速による細胞外区画の浮腫は約30分の灌流で安定することが腺重量測定より示されているが、今回の浮腫は僅かなものではあるが細胞内Clの追跡のために克服しなければならない。
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