神経分化決定期に現われる神経誘導物質mRNAの機能的固定とcDNAクロ-ニング
Project/Area Number |
01570059
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurophysiology and muscle physiology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 治正 東京大学, 医学部(医), 助教授 (40134283)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | アフリカツメガエル / 初期胚細胞培養 / 神経誘導物質 / mRNA / cDNA / 単クロ-ン抗体 |
Research Abstract |
脊椎動物では嚢胚期に背側中胚葉と接触した外胚葉部分から神経系が形成され、この時点での両胚葉細胞間作用が神経系発生に対し決定的役割を果たす事が知られている。本研究ではこの細胞間作用をになう神経誘導物質の同定をめざした。既に報告した通り、アフリカツメガエル初期嚢胚の未決定外胚葉細胞と予定背側中胚葉細胞(以下DMZ細胞)のそれぞれ少数(150-15)をとって混合培養すると神経細胞が分化してくる(抗樹状突起単クロ-ン抗体N1により確認)この時、DMZ細胞をCa、Mg-free液でよく洗い込むと、その神経誘導作用が著明に下る事、さらにDMZ細胞洗い液を混合培養系に添加すると神経細胞の分化が促進される事も新たに見出され、DMZ細胞表面に2価イオン依存的に結合した物質が神経誘導作用に関与する可能性が強く示唆された。一方誘導物質の化学的実体としては少なくともその一部が蛋白質であると予想されており、上記DMZ細胞表面物質をコ-ドするmRNAが嚢胚期以前の胚中に存在する事が期待された。このmRNAを同定する一つの方法として、初期胚mRNAをツメガエル卵母細胞に注入・翻訳させ卵母細胞のCa、Mg-free洗い込み液中に出現する神経細胞分化促進作用を指標として、対応するcDNAをクロ-ニングする事が考えられる。そこで先ず卵母細胞翻訳系が一般的にツメガエル胚mRNAに対するcDNAクロ-ニングに有効か否か検討する目的で、胚組織特異的抗原に対するcDNAのクロ-ニングを試みた。その結果表皮特異的E2抗原をコ-ドするmRNA分画が見出され、この分画からcDNAライブラリ-を作製した。現在約二万クロ-ンよりなるサブライブラリ-から調整したDNAをin vitroで転写してmRNAに変換後、これを卵母細胞に注入して、E2抗原の翻訳が単クロ-ン抗体により確認されているので、今後サブライブラリ-の大きさを徐々に小さくしていけば最終的にE2抗原mRNAに対する単一cDNAクロ-ンが得られるものと思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)