長期増強作用がキンドリング動物で広範な脳領域に拡延していく機構-Current source density analysis(電流密度解析法)による研究-
Project/Area Number |
01570072
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurophysiology and muscle physiology
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松裏 修四 大阪市立大学, 医学部, 教授 (50047007)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 長期増強作用 / 扁桃核キンドリング / 電流密度解析法 / 扁桃核刺激 / 嗅内野反応 / 興奮性後シナプス電位 / 後発射 / キンドリング痙攣 |
Research Abstract |
キンドリング刺激による長期増強作用(LTP)や脳波の後発射の全般化の機序を調べるためラット(または兎)の扁桃核にキンドリング刺激(10H_z、100パルスの矩形波)を与え、その刺激前と刺激後で嗅内野皮質に垂直に刺入したタングステン電極で50-100μm毎に単発刺激に対する反応に応じた電場電位を記録し、電流源密度(CSD)解析法により各部位でのシナプス電流の変化とキンドリングの発達の関係を明らかにした。なお刺激電極は前もって麻酔下で刺入し歯科用セメントで固定しておいた。キンドリング刺激前の電場電位は大脳皮質では検出されず海馬では通常電極刺入の全経路を通じて初期の陰性波(頂点潜時、約14〜20msec)に続く陽性波(頂点潜時、約20〜30msec)であったが嗅内野に電極がはいると最初は小さな陰性-陽性波であった反応が、ある深さで最大振幅(潜時、約10〜16msec)を示し、さらに深くなると陽性-陰性波にその位相を逆転した。後発射の増強や前身痙攣などのキンドリング効果発現後には嗅内野のみならず海馬の全ての部位で反応振幅が増大した。海馬では電場電位としては全て陰性-陽性波であったが、CSD解析を行なうと約100〜250μmの間隔をおいて主としてシナプス電流の流入源を示す部位、流出源を示す部位が層状構造をなしているのが明白になった。キンドリング獲得後は主たる流入源ならびに流出源の最大電流密度が約1.5〜2.5倍に増大し、電場電位にくらべ各流入源、流出源ともにその始まり及び頂点の潜時がきわめて明白になり、海馬(特に浅層部)での密度曲線の頂点潜時が著明に短縮することがわかった。各記録部位の組織学的検索のため実験終了後の脳固定標本を保存しているが、その結果をCSD解析で得られた結果と比較検討すれば扁桃核から嗅内野を経て海馬にLTPが全般化していくプロセスを組織構造との関係から明白に出来る。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)