Project/Area Number |
01570084
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 茂夫 京都大学, 教養部, 助教授 (40124797)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | パッチクランプ / 温度受容ニュ-ロン / 視床下部 / スライス / ニスタチン |
Research Abstract |
ラット視束前野スライスニュ-ロンを顕微鏡で直視し、細胞表面を覆う結合織を除去した後、パッチクランプ記録を行った。Ca^<2+>-free液でシナプス伝達を遮断し、温度に直接感受性を有するニュ-ロンのみを対象とした。1.細胞外記録:細胞体に電極を密着させて活動電位に伴う電流を検出し、発火頻度の温度依存性からニュ-ロンを分類した。2.whole-cell記録:予備実験では、whole-cell法の膜電流固定下に、細胞内活動電位発火頻度の温度依存性を測定したが、細胞外記録と矛盾する場合がよく見られた。この原因として、whole-cell処理による2次メッセンジャ-流出が推定された。そこで、本実験ではニスタチンを含むピペットを細胞膜に密着させイオンチャンネルだけを非特異的に開口させる方法でwhole-cell記録を行った(Horh & Marty,1988)。(1)膜電流固定法下に、25℃から35℃へ温度を上昇させると、温受容ニュ-ロンでは、静止電位が-40mV付近に近づき、発火頻度が増加した。冷受容ニュ-ロンでは、静止電位が-60mVよりも過分極し発火頻度が減少した。(2)膜電位固定法による電流解析:50nMテトロドトキシンでI_<Ne>を半分以下に抑制した。(a)ステップパルス法:-60mVの維持電位から、持続時間100msの、OmVへの脱分極パルスを加えてI_<Na>、I_kを記録し、-72mVへの過分極パルスを加えてI_<leak>(漏れ電流)を記録した。25℃から35℃の上昇に伴い、温受容ニュ-ロン、冷受容ニュ-ロンともI_<Na>、I_kは同程度に上昇した。温度上昇でもI_<leak>も上昇したが、温度受容ニュ-ロンの方の上昇率は低かった。(b)ランプパルス法:25℃と35℃で、-100mVから0mVまで変化するランプパルスを加えて電流電圧曲線を求めた。その逆転電位は、温受容ニュ-ロンで約-40mV、冷受容ニュ-ロンで約-62mVだった。そこで、I_<leak>が温度受容機構に関与することが示唆された。今後、I_<leak>のイオン機構を薬理学的に同定する予定である。
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