ヒト・肝セリン脱水酵素及びその遺伝子の構造と調節機構に関する研究
Project/Area Number |
01570126
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小川 宏文 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (30111743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 基二 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (30030000)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ヒト肝酵素 / セリン脱水酵素 / クロ-ニング / タンパク質の一次構造 / 塩基配列 / 相補的デオキシリボ核酸 / 糖新生 / シ-ケンスホモロジ- |
Research Abstract |
セリン脱水酵素は微生物から高等生物に至るまで広く存在するが、哺乳動物では、〓歯類の肝臓で最も活性が高い。種々の実験から、ラットの本酵素は糖新生に関与する酵素とされている。しかし、ヒト肝では活性がラットの1/10以下であることや、材料の入手が困難なことから、酵素化学的研究は全くなされないない。そこで本研究では、遺伝子組換え技術により、ヒト酵素の構造を解明することを第一目標とした。既に得られているラット肝セリン脱水酵素のcDNAをプロ-ブにして、市販のヒト肝cDNAライブラリイをスクリ-ニングした。陽性クロ-ンは5,000個に1つの割で出現したので、その内の15個を精製し解析した。塩基配列の決定から、328のアミノ酸をコ-ドするオ-プン・リ-ディング・フレ-ムが見出せた。その最小分子量は34,615であった。このcDNAを試験管内で転写し、その産物をさらに兎レティキュロサイト・ライセ-トで翻訳したところ、分子量35,000のポリペプチドが合成され、ラット肝セリン脱水酵素の抗体と反応した。アミノ酸配列はラットのそれと80%以上の相同性があることから、得られたcDNAはヒトセリン脱水酵素に対応することは間違いないと思われる。次に、他種のセリン(又はスレオニン)脱水酵素の一次構造を比較したところ、有意なホモロジ-が存在していた。特に活性中心であることが同定されている補酵素ビタミンB_6結合部位の配列や、グリシンに富むある領域が微生物から高等生物の酵素に共通して見出せた。この事実から、セリン脱水酵素は共通の祖先タンパク質から進化してきたのではないかと想像される。またヒト遺伝子ライブラリイから、このcDNAを用いて多数の陽性クロ-ンを分離した。現在これらを解析中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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