Project/Area Number |
01570207
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
|
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
児島 昭徳 愛知県がんセンター研究所病理学第二部, 主任研究員 (60073136)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | Biskind腫瘍 / 脾臓内精巣腫瘍 / セルトリ細胞腫 / 実験腫瘍 / ヌ-ドマウス / ラット精巣 |
Research Abstract |
去勢ヌ-ドマウスの脾臓内に移植された新生仔ラットの精巣の結節性初期増殖病変に至る過程を、セルトリ細胞の動態に焦点を当てて調べた。 1週齢のラットは精巣では多くのセルトリ細胞がまだ分裂を続けているが、2週齢ではS期のセルトリ細胞の数は激減し、3週齢以後はBrdUを取り込むセルトリ細胞は見当たらない。一方去勢雄ヌ-ドマウスの脾臓内に移植された新生仔ラットの精巣では、3週間後には精原細胞やライディッヒ細胞の一部にBrdUの取り込みを認めたが分裂するセルトリ細胞は認めなかった。即ち、セルトリ細胞の生理的分裂能の停止は移植により影響を受けなかった。脾内のラット精巣はマウスのゴナドトロピンに刺激されて次第に大きくなるが、精細胞の消失、ライディッヒ細胞の過形成の程度はラットの脾内におけるよりは軽い。5ケ月過ぎより白膜に接して結節病変が出現する。頻度はACI系の精巣を使用した場合は30%,BUF,ハイブリッドの場合には50%以上であったが、F344系の精巣を移植した10例では0%であった。初期病変では白膜に侵入した精細管の局所的増殖に始まる。増殖のきっかけは定かではないが、結合組織に偶々侵入した萎縮精細管内のセルトリ細胞が、peritubular myoid cell の消失を伴いつつ連続性の細胞塊として結合織内に増殖、侵入する像がしばしば見られる。出来上った結節病変の周囲および内部にも好銀繊維染色で輪郭される精細管由来の構造が見られ、BrdUを取り込む細胞が散在する。一旦分裂を停止したセルトの細胞を増殖に駆り立てる刺激が何かは推定の域をでない。精細胞、peritubular cellなどのコントロ-ルから解放されたセルトリ細胞がホルモンレセプタ-を介して感受性を増し、FSH等の刺激に反応するようになるのではと思われる。今後は、精細管のみ、あるいは培養セルトリ細胞のみの移植などの結果を通じて腫瘍化のメカニズムのより確かな理解が得られるであろう。
|