T細胞レセプタ-を介する胸腺細胞の活性化と分化の研究
Project/Area Number |
01570265
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斉藤 隆 千葉大学, 医学部高次機能制御研究センター・遺伝子情報, 教授 (50205655)
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Project Period (FY) |
1989 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | T細胞レセプタ- / 胸腺細胞 / T細胞活性化 / 分化 / γδT細胞 / CD4^+CD8^+細胞 / 遺伝子導入 / アンカ-PCR法 |
Research Abstract |
1.Gross virusを用いて未熟胸腺細胞の形質転換株を樹立した。主にCD4^-CD8^-であったが、CD4^+CD8^+の株も確立できた。CD4^+CD8^+クロ-ンは、CD3^+、Thy1^+の表面マ-カ-を持つ。T細胞レセプタ-(TCR)mRNA発現ではα鎖、γ鎖の発現はなく、β鎖は1.3と1.0kb、δ鎖は1.3kbのみを発現していた。δ鎖はmRNAからcDNAを作り、アンカ-PCR法からもV領域を含まないDJC再構成産物であることが確認された。細胞表面染色でも、抗β鎖抗体では反応したが、抗δ鎖抗体には反応しなかった。即ち、このクロ-ンはα鎖を伴わないβ鎖を発現しており、β鎖単独または新しいレセプタ-と結合していると考えられる。長期培養するとCD4^+CD8^+→CD4^+CD4^-へと変化し、TCRは変わらないので、分化のモデルとなる。 2.リンホカイン依存性の未熟胸腺細胞クロ-ンを確立した。このクロ-ンはCD4^-CD8^-、CD3^+Thy1^+でγδTCRを発現し、抗CD3や抗Thy1抗体の刺激によりILー2、γIFNを産出し、TH1様のリンホカイン産出を示した。他方、限られた腫瘍に対するMHC非拘束性傷害活性も同時に有している。胸腺内に最も早期に出現する、この胸腺γδ細胞がIL-2やγIFNを産出することから、αβT細胞分化を支える役割を果たしていると思われた。 3.未熟胸腺上でのレセプタ-発現量がレパ-トリ-形成に重要であり、そのモデルシステムを用いて調べた。TCRの発現のないT細胞変異株を樹立した。この細胞に種々の組合わせのTCRα鎖とβ鎖を遺伝子導入して解析した結果、αβペア-によって細胞表面発現に大きな差のあること、極端な場合にはほとんど表面に現れないことが判明した。さらに、発現していても、低レベルのレセプタ-では抗原刺激に反応せず、抗原に反応するには細胞表面レセプタ-レベルの閾値がある。未熟胸腺細胞のTCRレベルはこの閾値以下であり、αβペア-により発現の悪いT細胞は活性化されない可能性を示唆した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)
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[Publications] Marusic-Galesic,S.,Saito,T.,Tentori,L.,Zunigapflucker,J.,Raulet, D.H.,Allison,J.P.& Kruisbeek,A.M.: "A novel γδ TCR adds limited diversity to the γδ repertoire in adult thymus" J.Immunol.142. 28 (1989)
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