Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1990: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
成分栄養療法の腸管局所免疫機構に及ぼす影響を明らかにする目的で昨年度に引き続き,低栄養状態にしたマウスを実験動物として、成分栄養剤飼育による腸管局所免疫能の検討を行った。すなわちBulb/Cマウスを1週間無蛋白低カロリ-食にて飼育后、通常固形飼料(対照群)あるいは蛋白源をアミノ酸に置換した成分栄養液体飼料ー1kal/1mlに溶解ー(ED群)にて植育し,投与后2,4および8週後に屠殺。摘出した小腸の小腸液をSBTI,PMSFを含むリン酸緩衡加生食10mlと共に摂取した。この小腸潅流液を腸内常在菌であるBーfragilisのCell suface Protein fractionを被覆したmicroplateを用い,ELISA法に準じてIgA型特異抗体量を測定した。Bーfragilis外膜抗原に対する腸管内IgA/μg中の特異抗体量はED群OD400で45±20,対照群28.0±25と有意差を認めなかった。屠殺直後の血液を採取し,高速液体クロマトグラフィ-にて分画した試料を用いて,polymer(S IgA),monomerに分別して測定した。無蛋白低カロリ-飼育にて,Dimer IgA/total IgAは比は増加するが,ED又は普通食飼育4週間后では,ED群13.67±3.35%,対照群10.49±2.57%と有意差を認めなかった。又、小腸潅流液中のDimer IgA/total IgA比にも有意差を認めなかった。さらに屠殺した小腸パイエル板を用手的に切離し、拡大顕微鏡下に単核細胞数を分離,数を測定した。無蛋白低カロリ-飼育にてパイエル板細胞数は著明に減少し,ED及び普通食にて回復するが、投与4週間で対照群11.2×10^6/ml,ED群4.89×10^6/mlと有意に(P<0.05)低下していた。以上より昨年度の結果と合わせてED群の方が、小腸パイエル板細胞数,小腸内IgA量等の面で,普通食(対照群)に比して小腸免疫能の回復が悪いと推察できる。現在さらに免疫組織学的に小腸内のIgA含有細胞数の比較検討を加えている。 尚、この結果は第32回日本消化器病学会及び第25回消化器と免疫研究会において口演発表を行った。
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