Project/Area Number |
01570395
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
川崎 寛中 鳥取大学, 医学部, 教授 (60108826)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | プロスタグランジン / 血漿レニン活性 / アルドステロン / 肝硬変 / 腹水 / アルブミン |
Research Abstract |
1.肝硬変のrenin-angiotensin-aldosterone系の感受性を知る目的でプロスタグランジン(PG)E_1100Mgを11名のコントロ-ルと11名の肝硬変患者(6名:代償性,5名:非代償性)に点滴投与し、血漿レニン活性(PRA)の分泌動態を観察した。PGE_1投与前のPRAは非代償性(有腹水)でコントロ-ルに比べ有意に上昇していた(p<0.01)。PGE_1投与後,コントロ-ルではPRAは殆ど影響はなかったが、肝硬変では増加し、特に腹水のない代償性では有意に上昇した。レニン分泌率は代償性肝硬変では非代償性に比べ有意に増加した(327±50%vs143±26%、p<0.05)。これらの成績より、肝硬変のrenin-angiotensin-aldosterone系はPGE_1より作働化され、しかも代償性では非代償性に比べ、この系の感受性が亢進している可能性が示唆された。 2.PGが肝硬変の予後にどのような影響を及ぼしているかについて検討した。肝硬変30例にindomethacin200mg/日を投与すると、糸球体濾過値(GFR)は86±2(平均±SE)ml/minから73±3ml/minに低下し(p<0.01)、平均低下率は17±3%であった。肝硬変の尿中PGE_2は非代償性で高い値を示し、正常対照に比較して有意の増加を示した。indomethacin投与後のGFRの低下率を15%未満の軽度低下群と15%以上の高度低下群に分類して累積生存率を比較すると、軽度低下群は高度低下群に比し明らかに予後が良好であった(p<0.01)。したがって、PGは肝硬変の腎血行動態を調節して腎の虚血性障害を防止しており、またPGの作動が高度な症例ほど予後不良なことから、腎PGの欠乏が肝硬変の予後に関与しているものと考えられた。
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