血管平滑筋細胞の増殖機構における血管作動物質と細胞増殖因子の相乗作用とCキナ-ゼ
Project/Area Number |
01570487
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
川原 康洋 神戸大学, 医学部, 助手 (80169755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 雄一 神戸大学, 医学部, 講師 (90159707)
菊池 章 神戸大学, 医学部, 助手 (10204827)
貝淵 弘三 神戸大学, 医学部, 講師 (00169377)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 血管平滑筋細胞 / イノシト-ルリン脂質 / Cキナ-ゼ / 細胞増殖因子 / 血管作動物質 / 発癌遺伝子 |
Research Abstract |
私共は血管平滑筋細胞において、血小板由来細胞増殖因子(PDGF)がイノシト-ルリン脂質の代謝回転を惹起してCキナ-ゼを活性化し、活性化されたCキナ-ゼが細胞増殖に必須の細胞性癌遺伝子cーfos遺伝子の発現を促進して細胞周期のG_0期からG_1期への移行を促進して、血管平滑筋細胞の増殖を引き起こすのに対して、Cキナ-ゼがG_1後期に活性化されるとS期への進行を抑制して血管平滑筋細胞の増殖を阻害すること、Cキナ-ゼが血管内皮由来の血管収縮物質エンドセリンの受容体の脱感作機構に関与すること、血管平滑筋細胞にはαタイプのCキナ-ゼアイソザイムと今一つ異なったCキナ-ゼアイソザイムが存在し、前者が増殖の促進、抑制作用に、後者がエンドセリンなどの血管作動物質受容体の脱感作に関与することを明らかにした。血管平滑筋細胞においてはアンジオテンシンIIやセロトニンなどの血管作動物質もイノシト-ルリン脂質の代謝回転を惹起するが、私共はエンドセリンも同反応を惹起することや、これらの血管作動物質がcーfos遺伝子の発現を促進し、PDGFや表皮増殖因子(EGF)による血管平滑筋細胞の増殖を相乗的に促進することを見出した。PDGFとアンジオテンシンIIによるDNA合成の相乗作用の機構を明らかにするために、両者を同時に作用させた時のcーfos遺伝子の発現を調べたところ、両者は単に相加的にcーfos遺伝子の発現を促進し、PDGFとアンジオテンシンIIによるDNA合成の相乗作用はcーfos遺伝子の発現の程度では説明できなかった。従来より、プロスタグランジンI_2、E_1やアデノシンなどのcyclicAMPを介する血管弛緩物質が血管平滑筋細胞の増殖を抑制することはよく知られているが、私共は内皮依存性血管弛緩因子(EDRF)や心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)などのcyclicGMPを介する血管弛緩物質が血管平滑筋細胞の増殖を抑制することも明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)