Project/Area Number |
01570605
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山口 直彦 神戸大学, 医学部, 助教授 (10030868)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | フェンサイクリジン / 興奮性アミノ酸 / 受容体 / 精神分裂病 / ヒト脳 |
Research Abstract |
Lーグルタミン酸は、中枢神経系における興奮性神経伝達物資として大きな役割を果たしている。興奮性アミノ酸受容体の一種であるNーmethylーDーaspartate(NMDA)感受性グルタミン酸受容体の非競合型拮抗薬phencyclidine(PCP)は、ヒトに分裂病様症状を引き起こす。PCP結合部位を標識する^3Hー1ー[1ー(2ーthienyl)cyclohexyl]piperidine(^3HーTCP)を放射性リガンドとして受容体結合実験を行い、精神分裂病者死後脳における興奮性アミノ酸受容体の変化の有無を検索した。 1.^3HーTCP結合の薬理学的特性:ヒト脳前頭葉皮質における^3HーTCP結合に対する各種薬物の阻害能(IC_<50>)を比較した。NMDA感受性グルタミン酸受容体の非拮抗結合型阻害薬TCP、PCPおよびMKー801は高親和性(nM濃度)を示し、解離性麻酔薬ketamine、pentazocineは低親和性(μM濃度)で、ドパミンD_2受容体拮抗薬haloperidol、ムスカリン性受容体拮抗薬のatropineはほとんど親和性を示さなかった。 2.^3HーTCP結合に対する興奮性アミノ酸の影響:Lーグルタミン酸、Lー、Dーアスパラギン酸>NMDA、Dーグルタミン酸>キスカル酸の順に増強効果が認められた。キノリン酸、カイニン酸では増強効果がなかった。グリシン存在下ではグルタミン酸の増強効果はより著明であった。 3.^3HーTCP結合のヒト脳における分布:海馬>大脳皮質>尾状核>視床>小脳の順に高い結合活性を示した。 4.慢性分裂病者死後脳における^3HーTCP結合:分裂病群の海馬、前頭前野では、正常対照群と比較して増加傾向を示したが、有意の差は認められなかった。
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