GABA_B受容体を介する神経伝達機構の生化学的研究
Project/Area Number |
01570622
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
浅野 富子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 室長 (70100154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 理香 愛知県心身障害者コロニー, 発達障害研究所, 研究助手
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | GTP結合蛋白質 / GABA_B受容体 / 再構成 |
Research Abstract |
抑制性神経伝達物質GABAの受容体であるGABA_B受容体がGTP結合蛋白質(G蛋白質)と共役していることは電気生理学的実験結果や我々がすでに示した生化学的実験結果から明らかである。今回はGABA_B受容体がG蛋白質のうちのどの蛋白質と共役するのかについて検討した。G蛋白質G_1、G_0のうち、G_0とGi_1は脳から問題なく精製できるが、Gi_2とGi_3は多量に得るのは困難である。我々はすでに肺からGi_2が純度よく精製できることを報告したが、この精製Gi_2を用いて抗体を作成し、さらにGi_2測定のためのイムノアッセイ系を作成した。この方法で測定すると脾臓にGi_2が多く含まれていることが判明したため、次にウシ脾臓よりG蛋白質を精製した。精製蛋白質解析の結果、脾臓からはGi_2とGi_3が精製できることが分かった。しかしGi_3は量も少なく活性も低かったので再構成の実験に使用できなかった。一方ウシ脳からは新たにG_o^*と略称されるG_o様蛋白質が見つかっており、我々もこの蛋白質の精製に成功した。従ってG_o,G_o^*,Gi_1,Gi_2の4種類の精製G蛋白質とGABA_B受容体の再構成実験が可能となった。脳膜標品をNーエチルマレイミドで処理して内在性のG蛋白質を受容体と共役できなくし、精製G蛋白質とこの膜標品中のGABA_B受容体の再構成を行ない、GABA結合変化を測定して共役の程度を検討した。その結果G_o,G_o^*,Gi_1はほぼ同程度にGABA_B受容体と共役することを示したが、Gi_2はほとんどしなかった。βγサブユニットによる差も考えられたので肺Gi_2のαサブユニットと脳のβγサブユニットの混合物で再構成を行なったがやはり共役は見られなかった。この結果よりGABA_B受容体は神経系に特に高いG_oとGi_1と共役するが、どの細胞にも広く存在するGi_2とはしないと考えられる。これは神経伝達に関わるG蛋白質はG_o,Gi_1の可能性の高いことを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)