自己免疫性高カイロミクロン血症の発見とそれに基づく肝性リパ-ゼの意義
Project/Area Number |
01570640
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 正治 大阪大学, 医学部, 助手 (50161667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船橋 徹 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
松沢 佑次 大阪大学, 医学部, 講師 (70116101)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 高カイロミクロン / リポ蛋白リパ-ゼ / 肝トリグリセリドリパ-ゼ / 自己免疫性高脂血症 / 酵素 / 甲状腺ホルモン / 膵炎 / IgA |
Research Abstract |
我々は従来特発性とされていた高カイロミクロン血症を検討し、いわゆる「自己免疫性高カイロミクロン血症」であることを見いだした、本症はtriglycerideーrichリポ蛋白の代謝に重要な役割を果たすLPLやHーTGLに対する自己抗体が出現し、これらの酵素活性低下をきたし、高カイロミクロン血症を発症していた。この異常免疫フロブリンは、IgAであった。本症ではこの自己免疫性機序により高カイロミクロン血症、頻回の急性膵炎等の著名な病気を来すという点で世界で初めての病態でありN.Engl.J.Med.に報告した。従来「酵素」に対する自己抗体を有する症例も報告されているが、これらの自己抗体はすべて血中逸脱酵素に対するものであり臨床検査上異常値を示す故に発見されるものの、それにより病気を来すと言うものではなく、本症はその点でもきわめて珍しい病態であった。酵素活性低下のメカニズムを検討するため、本症の免疫グロブリンの両酵素への影響を検討した。両者を混合し、遠心した上清を酵素源とした場合は活性が著名に低下するが、遠心せず酵素活性を検討するとその低下は軽度であったので、本症にみられる自己免疫性免疫グロブリンによる酵素阻害様式は酵素活性部位や基質結合部位を認識しているのではなく、免疫グロブリンが酵素蛋白と結合することにより、本来の酵素活性が出現しないことによるものと推定された。さらに、HーTGL活性を制御するホルモンの影響を調べたところ、甲状腺ホルモンが、培養肝細胞HepーG2培養系においてHーTGLの分泌を促進するすることを見いだした。今後は同じ系においてmーRNA定量も試みる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)