Project/Area Number |
01570641
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
横野 浩一 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (50144580)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | I型糖尿病 / NODマウス / インタ-ロイキン2 / インタ-ロイキン2受容体 / モノクロナル抗体 / 活性化Tリンパ球 / サプレッサ-Tリンパ球 |
Research Abstract |
I型(インスリン依存型)糖尿病はある種の遺伝的疾患感受性を有する個体に、ウィルス感染などの環境因子が加わることによって発症する臓器特異的自己免疫疾患として臨床的に位置づけられる。本疾患のモデル動物であるNODマウスを用いた研究等により、その発症、進展に細胞性免疫異常特にTリンパ球異常が深く関与することが明らかとなった。Tリンパ球の増殖因子であるインタ-ロイキン2(ILー2)はTリンパ球上に発現された特異的受容体(ILー2R)を介して、本細胞の増殖に関与している。I型糖尿病患者の末梢Tリンパ球上にILー2R陽性細胞が増加しており、血清中に可溶型ILー2Rが存在していることが報告されている。私達はI型糖尿病の予知因子のひとつとして可溶型ILー2Rを特異的モノクロナル抗材を用いたELISAにて測定したところ、健常人やインスリン非依存型糖尿病疾患者に比して有意な増加を認めた。この可溶型ILー2Rの増加はI型糖尿病の発症早期のみならず、1年以上経過している症例でも認められることより、Tリンパ球異常が本疾患の発症のみならずその進展にも関与していることが示唆される。一方、NODマウスにおいてはその糖尿病発症前より、ILー2R陽性Tリンパ球や可溶型ILー2Rの増加が認められることを明らかにし、ILー2R陽性Tリンパ球がI型糖尿病の発症に深く関連していることが推察される。さらにILー2Rに対するモノクロナル抗体の投与により、I型糖尿病のモデル動物において血糖の低下や膵ラ島炎の軽減化が認められた。しかし、NODマウス脾細胞をコンカナバリンAにて刺激し、そのILー2R発現能を検索したところ、対照マウスに比して高親和性ILー2Rの発現が低下しており、このマイトゲンで活性化されるべきサプレッサ-Tリンパ球の機能低下がNODマウスに認められる自己免疫現象に関与しているものと考えられた。
|