Ph陽性白血病及びPh陽性血液腫瘍に於ける、分子生物学研究
Project/Area Number |
01570668
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
佐藤 裕子 宇都宮大学, 保健管理センター, 助教授 (10137713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 年生 自治医科大学, 血液学教室, 講師 (60118453)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | Ph陽性急性白血病 / Ph陽性慢性骨髄性白血病簾 / Major-bcr-1 / minor-bcr-1 / BCR gene / c-abl蛋白 / heterogeneity |
Research Abstract |
分子生物学の進歩によりPh陽性(Ph+)急性白血病には、2群があることが解ってきた。即ちM-BCR-1(5.kbの mojor break cluster region)に切断点を持ち、8.5kb mRNA、 210kd c-abl蛋白を作るCMLの急性転化発症例(またはvarient typeCML)群と、 gene の第一イントロン内に切断点を持ち、7.0kb mRNA,190kdc-abl蛋白を作るde novo急性白血病群である。しかし、最近、腫瘍細胞の染色体所見、造血幹細胞コロニ-の染色体分析による、lineage invovementの検索、Ph染色体の切断点の部位、c-abl蛋白の種類等を詳しく検討してみると、Ph+急性白血病の中には、上記のどちらの群にも属さない症例が存在することが分かってきた。つまり、Ph+急性白血病は、従来考えられてきた以上に複雑なheterogeneityを持った疾患群である可能性がある。私達は、本研究で以下の事を証明した。 1.細胞遺伝学的にはCML急性転化発症例、分子生物学的には急性白血病と考えられる症例の詳細なデ-タを紹介し、また19例の文献例から、Ph+急性白血病を4つの病型に分け、Ph+急性白血病の於ける具体的なheterogeneityを証明した。 2.Ph+悪性リンパ腫瘍の症例で、M-BCR-1には切断点はなく、190kd c-abl蛋白を証明し得た症例を経験し報告した。Ph染色体はこれまで非常に稀ではあるが、白血病以外の血液疾患(悪性リンパ腫、多発性骨髄腫)にも報告されている。しかし、こうした症例で分子生物学的な検索が行われている症例は未だ無かった。私達のこの報告は、c-abl geneはPh転座を介して、白血病ばかりか表現型のことなった多種類の血液腫瘍に係わっている可能性があることを示唆するものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)