白血病細胞の増殖における細胞増殖因子ー受容体ーシグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
01570677
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
奈良 信雄 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00142258)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / 白血病性幹細胞 / GM-CSF / G-CSF / IL-1 / 受容体 / シグナル伝達系 |
Research Abstract |
急性骨髄性白血病(AML)における白血病細胞の異常な増殖は、白血病性幹細胞によって支持されている。白血病細胞の増殖機構を解明することを目的として、白血病性幹細胞の増殖に必要な増殖因子とその作用機序を明らかにすることを研究の主眼とした。 白血病性幹細胞は、メチルセルロ-ス培地あるいは液体培養系で増殖する。この増殖にはIL-3、GM-CSF、G-CSFなど顆粒球コロニ-刺激因子(CSF)が重要であることをまず明らかにした。しかし、CSFは正常の顆粒球系造血にも不可欠であり、白血病性幹細胞の増殖に決して特異的ではない。そこで次に、他の細胞増殖因子、たとえばIL-1について検討した。この結果、IL-1は白血病細胞を刺激してGM-CSFを産出させ、分泌された。GM-CSFが白血病性幹細胞の増殖を刺激する。いわゆる、autocrine growth mechanismの存在が確認された。このように、白血病性幹細胞の増殖には、多数の細胞増殖因子が直接にあるいは間接的に作用していることが明らかにされた。 次に細胞増殖因子に対応する受容体を研究した。この結果、白血病細胞膜にはGM-CSF,G-CSF,IL-1に対する受容体が存在することが確認された。しかし、それらの受容体数・親和性と細胞増殖因子の刺激効果の間には必ずしも相関がみられなかった。この事実は、白血病性幹細胞の増殖が受容体レベルで統御されていないことを示唆する。しかし、この点については受容体の構造の解析を含めて今後の研究課題とした。 第3に、G-CSFとGM-CSFが白血病細胞受容体と結合した後のシグナル伝達系の研究を行った。この目的にはProtein KinaseCの活性化の有無・程度を研究したが、これらCSFの作用にどのようにProtein KinaseCが関与しているかは詳細にされず、今後の研究課題とした。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)