骨髄性白血病細胞の分化誘導時における細胞内情報伝達系及び癌遺伝子産物制御の解析
Project/Area Number |
01570687
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
|
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
石倉 浩人 島根医科大学, 医学部, 講師 (40193297)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並河 徹 島根医学大学, 医学部, 助手 (50180534)
|
Project Period (FY) |
1989 – 1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 骨髄性白血病細胞 / TNF(腫瘍壊死因子) / 分化誘導の機序 / 受容体 / 細胞内情報伝達機構 / cーmyc癌遺伝子 / 細胞周期 |
Research Abstract |
骨髄性白血病細胞の分化誘導時における分子機構の解明のために,ヒト前骨髄性白血病細胞HLー60の単球系への分化誘導因子である腫瘍壊死因子(TNF)の生理活性発現機序を、因子ー受容体結合及び細胞内情報伝達機構との関連から検討し、以下の実験的事実を得てきた。 1)高親和性受容体関連蛋白と考えられる分子量約78KDaの膜蛋白を同定した。2)dibutyryl cyclicAMP及び細胞内cyclicAMPの濃度を上昇させ得る物質の共存下でTNFの生理活性は相乗的に上昇する。3)TNF添加直後よりPhosphoinositideの代謝回転の亢進がみられる。4)protein kinase CのactivatorであるTPAの共存下ではTNFの生理活性は相加的促進効果を得る。5)TPAとdbcAMP両者の共存下ではTNFの生理活性は著しく上昇する。これらの結果はTNFの生理活性発現が因子と細胞膜上の高親和性受容体関連蛋白との結合を介し、更に細胞内second messengerとしてA kinase系、C kinase系のmonodirectionalな作動があることを示唆する。本年度の研究では、これらの細胞内情報伝達系に応答して白血病細胞の分化へのcommitmentを獲得していく過程でその初期相としてmRNAのdown regulationがおこることの知られているcーmyc癌遺伝子を着目し、分化誘導時におけるcーmyc蛋白の動態を細胞周期との関連から検討し、以下の合果を新たに得た。1)増殖期HLー60細胞においてcーmyc蛋白は、細胞周期非依存性に一定量発現されているがGo/G_1期において比較的発現量の低い分画が10〜20%存在する。2)TNFにおける分化誘導は、分化関連形質の発現に先行してcーmyc蛋白の減少がみられ、特にGo/G_1期での減少が著明であった。即ち、HLー60細胞において、cーmyc蛋白は構成的に発現されているが、分化へのcommitment成立にはその発現量の低下を伴い、その発現制御機構は細胞周期Go/G_1期に特異的に存在することが示された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)