脳腫瘍における抗癌剤耐性の作用機序および克服に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
01570800
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
峯浦 一喜 秋田大学, 医学部, 講師 (70134103)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 脳腫瘍 / グリオ-マ / 薬剤耐性 / ニトロソウレア剤 / DNA損傷 |
Research Abstract |
脳腫瘍細胞(9LとC6細胞)を用い、抗癌剤に対する内因性および獲得性耐性をコロニ-形成法で解析した。抗癌剤としてAGNU、MCNU、NCS、BLM、CDDPを用い、親細胞に50%生存率量までの濃度系列で隔日に10回まで作用させた。9L細胞はACNU 10μMの5回以上の反復処理後に24μM濃度で100倍以上、直線部分での37%生存量で約6倍以上の耐性があった。一方、MCNU 3μMの10回処理細胞では24μM濃度での耐性が100倍以上であった。この感作方法でNCS、BLM、CDDPは耐性を誘導しないかった。C6細胞は内因耐性が9L細胞より高かったが、薬剤処理による耐性は獲得されなかった。脳腫瘍細胞DNAにおける抗癌剤の損傷部位は、ACNUとMCNUがDNA断方のguanine(G)ニ一致してDNAstrand breaks(SB)とalkali-labele sitesを選択的に形成した。一方、BLMはG-C(cytosime)、G-T(thymine)配列で、NCSはTとAでSBを形成したが、CDDPでは特異的な部位にSSBとalkali-labele sitesがともに検出されなかった。雌BALB/(nu/mu)マウスの背皮下移植脳腫瘍はACNU処理後に9L腫瘍の腫瘍体質が著しく減少したのに対して、C6腫瘍の減少は少なく、コロニ-法における内因性耐性の差異を反映した。AGNU耐性細胞(ACNU10回処理細胞)はMCNUに対して24μM濃度で親細胞の80倍の耐性があり、また、MCNU耐性細胞もACNUに対して耐性を示した。一方、ACNUおよびMCNU耐性細胞の用量生存曲線はNCSに対して親細胞とほぼ同様であり、BLMとCDDPに対して親細胞より感受性が高かった。以上、抗癌剤の反復投与でニトロソウレア剤(ACNU,MCNU)は耐性を誘導しやすく、DNA損傷の作用点を共有するACNUとMCNUは交差耐性を示し、作用点の異なったBLM、NCSおよびCDDPで殺細胞効果が認められ、ニトロソウレア剤耐性細胞の治療にはDNA損傷部位の異なる抗癌剤が有効であることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)