Project/Area Number |
01570817
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
成瀬 昭二 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50106407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 忠蔵 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 教授 (80163541)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 磁気共鳴法(NMR) / 磁気共鳴画像(MRI) / 磁気共鳴スペクトル(MRS) / 脳代謝物質 / spectroscopic imaging / phospholipid / アミノ酸 / 拡散画像 |
Research Abstract |
磁気共鳴法を用いて、正常脳及び病態時の脳内代謝物質の動態に関する研究を行った。動物実験では、ラット中大脳動脈結紮による脳虚血モデルを用いて^1H-MRIと^<31>P-および^1H-MRSとを測定した。^1H-MRIでは、虚血3時間後から自由水の増加を示す、T_2強調画像で強い信号領域として認められた。^<31>P-MRSでは、虚血直後から、好気性解糖系の破綻が認められ、組織は酸性化した。^1H-MRSでは、乳酸の増加が認められた。このように、in vivoで脳内代謝物質の変化を観察することが可能となった。^1H-および^<31>P-spectroscopic imagingを試みたが、傾斜磁場の渦電流や感度の弱さのため充分満足できる結果は得られなかった。同様の問題は、拡散画像の作製にも起こり、渦電流に対する対策をおこなわなければ良い結果が得られないことが判明した。そのひとつの対策として、渦電流を極力おさえたshield gradient coilの導入が必要であると結論付けられた。臨床応用では、種々の脳神経疾患(腫瘍、梗塞、変性)で、(1)^<31>P-および^1H-MRSの測定、(2)spectroscopic imagingの試み、(3)拡散画像の測定を行った。(1)では、脳の一部から限局した良好なスペクトルが得られ、リン化合物、アミノ酸などの測定分布が可能となった。腫瘍、梗塞でリン脂質の前駆体の増加が認められた。(2)では、スペクトルの質は必ずしも良くないが、脳内全体の代謝物質の分布が画像として描出される点で有用であった。(3)では、通常のT_2強調画像よりも鋭敏に、脳梗塞、脳浮腫の描出を行い得た。これは、脳組織内での水の拡散状態が早くなっており、脳内で悪影響を及ぼしていることを示唆するものであった。以上より、多核種についてNMRの技法をいかして種々の情報を測定することによって、脳内の代謝物質の動態、分布の研究を行え得ることが示された。NMRにはその他多くの方法があり、病態解析に多くの可能性を秘めていると結論付けられた。
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