脳浮腫モデルによる麻酔薬と脳浮腫治療法の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
01570865
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
麻酔学
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
海江田 令次 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (10204306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 敏三 山口大学, 医学部, 助手 (90034991)
坂部 武史 山口大学, 医学部, 助教授 (40035225)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 脳浮腫 / 脳水分量 / 凍結乾燥法 / 膠質浸透圧 / 膠質輸液 |
Research Abstract |
脳水分量に及ぼす血漿浸透圧と膠質浸透圧の変化の影響は、脳浮腫患者の輸液療法の基礎となる。本研究の目的は脳浮腫に対する治療法と麻酔薬の相互作用の検討であるが、当該年では脳水分量測定法としての凍結乾燥重量法を検討し、この方法を用い高膠質浸透圧輸液の脳浮腫治療の効果を検討した。 予備実験として、イヌ大脳灰白質と白質を10mgから、100mgに切片に切り分け、-90度、20mmHg以下の陰圧にて吸引乾燥させ、6時間毎に水分量を求めた。この範囲では標本の重量に関係なく一定した水分量を24時間の凍結乾燥によって得られることが明かとなった。次に、イヌを10頭を用いハロセン笑気麻酔下に正常体温、正常換気(PaCO_2 35-40mmHg)に保った。Michenfelderらの方法により上矢状静脈洞カニュレ-ションを行ない、電磁流量計による脳血流量測定および脳静脈血採血を可能とし、脳動静脈血の酸素含量、血漿浸透圧および膠質浸透圧を測定した。頭蓋内圧も併せて測定記録した。動物を2群に分け、対照群では生理食塩水を、治療群では10%ヘタスタ-チ加生理食塩水を10ml/kgを30分かけて静注した。脳水分量は左右大脳知覚領野の灰白質、白質、小脳、中脳(下丘)を測定した。(結果)体重、体温、動脈圧、脳脊髄液圧、動脈血ガス分圧に両群間の差はなかった。膠質浸透圧は投与前値には差はなかったが、投与開始後15分、投与直後、投与30分後で治療群が3〜6mmHg有意に高かった。血漿浸透圧には有為差を認めなかった。脳水分量は、対照群と治療群でそれぞれ、大脳灰白質;78.4±0.6%、77.1±0.8%、大脳白質:63.5±0.5%、63.7±1.1%、小脳;76.9±1.3%、76.9±1.2%、中脳;70.5±2.7%、70.3±1.3%であり、群間差を認めなかった。(考察)脳浮腫に対する高膠質浸透圧輸液療法の可能性を脳水分量からみると、治療効果はあまり期待できないことが明かとなった。しかし、臨床での非有効性を証明するには、脳浮腫モデルの検討が必要であり、さらに継続して検討を重ねる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
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