尿路上皮の細胞間コミュニケ-ションに対するステロイドホルモンの作用と解析
Project/Area Number |
01570880
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大島 博幸 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60013934)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 和徳 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40161541)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1989: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 尿路上皮腫瘍 / 細胞間コミュニケ-ション / ステロイドホルモン |
Research Abstract |
ヒト膀胱腫瘍継代培養細胞の細胞間コミュニケ-ション(IC)に対する各種ステロイドホルモンの作用をdye transfer法を用いて検討し、以下の結果を得た。(1)膀胱腫瘍継代培養細胞JTC-30(ヌ-ドマウス移植にて中等度分化型の形態を示す)のICはテストステロン、ジヒドロテストステロンにより濃度および時間依存性に強く抑制され、プロゲステロンではその抑制は軽度であり、エストラジオ-ル、コルチゾ-ルではnon-toxic doseでの抑制はなかった。(2)JTC-32(ヌ-ドマウス移植にて低分化型の形態を示す)のICはテストステロン、ジヒドロテストステロンにより濃度および時間依存性に抑制され、エストラジオ-ル、コルチゾ-ルでは抑制はなく、分化度の低い膀胱腫瘍でもJTC-30と同様の結果が得られた。(1)(2)の結果は膀胱腫瘍の発癌の性差の一因を説明している可能性がある。(3)JTC-30およびJTC-32のICに対するテストステロンの抑制作用はテストステロン接触中は持続的に認められ、その回復は長時間(96時間)接触後でもテストステロン除去後短時間(8時間以内)でコントロ-ルレベルに達し、テストステロンにより抑制された各膀胱腫瘍細胞のICは極めてreversibleであった。(4)JTC-30のICに対する抑制作用の強さは、テストステロンとジヒドロテストステロンとの間に、明らかな差異は認められなかった。(5)JTC-30のICに対するテストステロンの抑制作用は、強力なantiandrogenであるcyproterone acetate(テストステロンのリセプタ-への結合を阻害)を加えても阻害されなかった。(4)(5)の結果は、テストステロンによる尿路上皮腫瘍のICの抑制が従来知られているリセプタ-を介した作用ではなく、他のメカニズムにより生じている可能性を示唆している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)