Project/Area Number |
01570896
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
金武 洋 長崎大学, 医学部, 助教授 (50100839)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 培養腎尿細管細胞 / 上皮成長因子 / 線維芽細胞増殖因子 / インスリン様増殖因子 / トランスフォ-ミング増殖因子ーβ / 代償性腎成長 / 肝臓 |
Research Abstract |
一側腎を摘出すると、対側腎が代償性に大きくなることはよく知られた事であるが、そのメカニズムについてはよく分かっていない。この代償性腎成長は、細胞の肥大と過形成という2つの要素からなっており、本研究ではこの過形成に関与する増殖制御因子について、培養尿細管細胞を用いて検討した。1.まず多彩な種類の細胞からなる腎臓より尿細管細胞を選択的に培養し、増殖制御因子のアッセイ系を確立した。2.腎には、多くの増殖因子が含まれるが、そのうち上皮成長因子、線維芽細胞増殖因子、インスリン様増殖因子が培養尿細管細胞のDNA合成を促進し、トランスフォ-ミング増殖因子-βが増殖抑制因子として作用することがわかった。3.当教室では以前より代償性腎過形成に関与する血清中因子について検討しているが、この因子の由来を知るために肝に注目し、一側腎摘出後の肝をホモジナイズし、ゲル濾過にかけてみたところ、尿細管細胞の増殖促進因子と増殖抑制因子が見つかり、しかもこの両者は2.で検討した既知の因子とは異なっている可能性があること、さらに、この両者の活性の発現には、標的細胞の密度が関与していることが示唆された。以上の知見をまとめると、代償性腎過形成においては、腎に存在する各種増殖因子がロ-カルファクタ-として作用し、さらに肝からつくられる因子がエンドクラインファクタ-として影響を及ぼす可能性があると考えられる。今後、肝由来の増殖制御因子をさらに精製し、その作用機構を調べ、腎不全患者や腎移植患者の治療に応用できる可能性を検討していきたい。
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