口腔外科手術における低血圧麻酔の心筋への影響に関する研究
Project/Area Number |
01571086
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
外科・放射線系歯学
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 弘通 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (40110720)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | プロスタグランディンE_1 / ATP / ジピリダモ-ル / 口腔外科手術 / 低血圧麻酔 / 心筋組織酸素分圧 / 心筋組織血流量 / 心筋内層 |
Research Abstract |
サルを対象として、全身麻酔で気管内挿管下に実験を行った。麻酔は塩酸ケタミンで導入し、ハロセンを1MACとし、純酸素下で調節呼吸とし終末呼気炭酸ガス濃度を35〜40^<mm>Hg分圧に保った。5匹のサルを全て開胸し、冠状動脈左下行枝回旋部領域に組織血流用電極(内層と外層)と組織酸素分圧電極(内層と外層)を刺入し、血流は制御差温式で測定し、酸素分圧はポラログラフィ法で測定した。 左肘下静脈よりプロスタグランディンE_1(PGE_1)もしくは、ジピリダモ-ル(ペルサンテン)を前投与したあとATPを投与した。平均動脈圧で薬剤投与前値を対照値とし、両薬剤(PGE_1、ATP)投与後の低血圧(平均動脈圧70^<mm>gと40^<mm>Hg)の2段階での値とを比較し、検討した。 結果(1)心筋内層の方が外層より組織血流量は多く、また酸素酸素分圧も高かった。(2)PGE_1による低血圧では、平均動脈圧70^<mm>Hg時で組織血流量は対照値と同じくまた組織酸素分圧にも変化はみられなかったが、平均動脈圧40^<mm>Hgの超低血圧麻酔下では心筋の内層および外層ともに組織血流量と組織酸素分圧は対照値の40%に低下した。(3)ATPによる低血圧では、平均動脈圧70^<mm>Hg時で組織血流量は対照値より有意に増加し、組織酸素分圧は少し上昇した。平均動脈圧40^<mm>Hgの超低血圧麻酔下では組織血流量と組織酸素分圧は約15%対照値より心筋内層では低下しただけであった。 考察、両薬剤を比較すると中等度の低血圧麻酔時ではPGE_1は心筋組織に為害作用はないと考えた。一方、ディピリダモ-ル使用のATP低血圧麻酔では平均動脈圧40^<mm>Hgの低血圧でも、心筋に為害作用を与えない可能性が示唆された。両薬剤とも中等度の低血圧麻酔では極めて安心に、安全に口腔外科手術時に使用できると判断した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)