ス-パ-オキシド(O_2^〓)の有機合成化学への応用ー新規有機酸化反応の開発ー
Project/Area Number |
01571142
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長野 哲雄 東京大学, 薬学部, 助教授 (20111552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 恒彦 東京大学, 薬学部, 助手 (50173159)
増野 匡彦 東京大学, 薬学部, 助手 (90165697)
太田 茂 東京大学, 薬学部, 助手 (60160503)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ス-パ-オキシド / 活性酸素 / 酸化 / 酸化反応 / エポキシ / 回転ディスク電極 / ラマンスペクトル / ホスゲンダイマ- |
Research Abstract |
本研究は活性酸素の1種であるス-パ-オキシド(O_2^〓)を用いた新規有機酸化反応の開発を目的としている。O_2分子の1電子還元体であるO_2^〓は2つの反結合性軌道(π^*_<2px>、π^*_<2py>)に、対になった2電子と不対の1電子の計3電子入った特異な構造をしている。そのため、求核性、ラジカル性、1電子還元性、1電子酸化性、塩基性と多種多様な反応性が予想される。しかしながらそれらに対していくつかの反応例はあるがいずれも高い反応性を示したものとは言い難く、O_2^〓は実用性有機合成のための酸化試剤としては使われていないのが現状である。 本研究者らはこの問題点を解決するために、1つの仮説を導入した。それは、O_2^〓自身では強い酸化力は示さないが、そこにある種の化合物あるいは官能基を添加することにより過酸状態が生じ、2次的に高い反応性を有するようになるのはないか、というものである。この考えに基づき、O_2^〓に(1)酸ハライド化合物、(2)ハロゲン化物、(3)CO_2、(4)リン酸エステル類など(これらをエフェクタ-化合物と呼ぶ)を共存させ、オレフィン、スルフィド、アミン、アミド、エノンなどの基質の酸化を試みたところ、いずれも良好な収率で酸化生成物が得られた。反応例;KO_2-CCl_4系によりβーメチルスチレンからβーメチルスチレンオキシドが83%で生成:KO_2-ホルゲンダイマ-系を用いた場合には、従来の酸化物では、一段階で得ることのできないパイレンなどの縮合芳香環のエポキシ体が生成。さらに^<18>O_2からK^<18>O_2を調整し、Ramanスペクトル、GC-MSスペクトルを用いて本反応の機構を検討した。その結果、パ-オキシラジカル、パ-オキシアニオンが最終活性種であることが明らかとなった。本研究によりO_2^〓ーエフェクタ-化合物系で新しい酸化種の生成が示されたわけであるが、これらは合成化学的に価値の高いものと考えられる。応用面を含め更なる検討が行われている。
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)