Project/Area Number |
01571153
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 治 広島大学, 医学部, 教授 (30012595)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 中国伝統薬物 / 党参 / Codonopsis / キキョウ科 / ネオリグナン / Tanshenoside / 配糖体 / N-フルクトンルピログルタミン酸 |
Research Abstract |
党参はキキョウ科、Codonopsis属植物の根で、中国全土で、保健強壮薬として薬用人参と類似の目的に古来より繁用されてきた重要生薬である。そのエキスの薬理学的研究は最近中国で広く行われている。しかし、本生薬に特徴的な化学成分については、脂溶性既知物質が微量に分離されているのみであった。本研究においては、中国の研究者と密接に交流し、起源の明らかな党参について、水溶性特殊成分を中心に検索して、本重要天然薬物の今後の薬理学的研究と起源及び品質評価の研究に資することを目的とする。 成都中医学院より供与された四川省で栽培、調製された川党参(C.tangshen Oliv.)のメタノ-ルエキスをダイアイオンHP-20のクロマトグラフィ-に付し、大量に存在するグルコ-ス、フルクト-ス、シュ-クロ-スなどの糖類を除去し、ついで、順相(シリカゲル)、逆相(Lichroprep RP-8)、ゲル濾過(sephadex LH-20)のクロマトグラフィ-で分離し、更に逆相系の高速液体クロマトグラフィ-で精製して、既に我々が分離報告したSiringin、tanshenosde I,IIと共に7種の化合物をえることに成功した。このうち、2種はヘキシルアルコ-ルの配糖体であり、2種はヘキセニルアルコ-ルの配糖体であることを証明した。他の1種は既にC.lanceolateよりえられていたポリアセチレンアルコ-ルの配糖体と同定した。残る2種はtanshenoside III,IVと命名された。NMRの各種の新技法を駆使して、前者は新型ネオリグナン配糖体であると構造決定した。更に後者はその3(S)-ヒドロキシメチルグルタ-ル酸グルコシドエステルであることを明らかにした。以上の他、更に水溶性の高い分画から、N-フルクトシル-ピログルタミン酸が高収量でえられた。なお、薬用人参とは異なり、サポニン類は全く検出されなかった。以上の様に、本研究の当初の目的は充分達成されたものと考えられる。
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