興奮性アミノ酸レセプタ-とイオンチャンネルの共役機構に関する神経化学的研究
Project/Area Number |
01571229
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
米田 幸雄 摂南大学, 薬学部, 助教授 (50094454)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻田 喜代一 摂南大学, 薬学部, 助手 (90169219)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 興奮性アミノ酸レセプタ- / L-グルタミン酸 / N-メチル-D-アスパラギン酸 / イオンチャンネル / グリシン / 非競合的アンダゴニスト / トランスメンブランコントロ-ル / 神経化学 |
Research Abstract |
興奮性アミノ酸レセプタ-サブタイプの中で、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)感受性レセプタ-は、活性化に伴い連関するイオンチャンネルを開放して、Na^+やCa^<2+>の細胞内流入を誘発する。この細胞内流入を非競合的に遮断するMK-801の放射性標識化合物を用いて、NMDAチャンネルの活性を測定した。ラット脳から調製したシナプス膜標品を界面活性化剤のTriton X-100で前処理すると、〔^3H〕MK-801結合は著明に低下した。L-グルタミン酸(Glu)の添加は、10nM以上で濃度依存的に結合を増強させた。NMDAをはじめL-アスパラギン酸などNMDAアゴニスト作用を持つ興奮性アミノ酸は、いずれもGluと同様の結合増強作用を示したが、これらの増強作用はD-PA5やCPPなどの競合的NMDAアンタゴニストにより完全に拮抗された。また、他のサブタイプのアゴニストは本結合に著変を与えなかった。Glu存在下にグリシン(Gly)を添加すると結合はさらに増強されたが、このGlyの増強作用は古典的Glyアンダゴニストのストリキニ-ネでは阻止されなかった。電気生理学的研究成績と一致して、D-アラニンやD-セリンなどかGlYと同様の結合増強作用を発揮したが、それぞれのL体の増強作用は軽微であった。このGlyによる増強は、競合的NMDAアンタゴニストにより完全に阻止された。また、前処理膜標品への結合の薬理学的性質は非処理膜標品の場合とほぼ同一であった。以上の結果から、本結合は活性化状態のNMDAチャンネルの生化学的指標として有用であること、およびGlyの結合増強作用はNMDA認識部位の状態に存在して出現することが示唆される。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)