疼痛研究のための摘出脊髄ー皮膚標本の開発と非麻薬性鎮痛薬の探索
Project/Area Number |
01571252
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
柳澤 光彦 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (90159252)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 脊髄ー皮膚標本 / カプサイシン / ブラジキニン / スパンタイド / モルヒネ / P物質 / 侵害反射 / 非麻薬性鎮痛薬 |
Research Abstract |
生後1〜3令のラットから、脊髄に伏在神経を介して後肢皮膚の一部がつながった標本を作製した。脊髄と皮膚を別々の灌流槽に固定し、人工脳脊髄液で灌流した。運動ニュ-ロンに発生する電位変化をL3前根から吸引電極を介して細胞外記録した。カプサイシン、ブラジキニン、マスタ-ドオイル、ヒスタミンおよびセロトニンなどの発痛物質を皮膚の灌流系に短時間注入すると、前根から20〜100秒間持続する脱分極性の電位変化が記録された。カプサイシン誘発電位はモルヒネ、エンケファリン、ダイノルフィン、P物質拮抗薬(スパンタイド)、ムシモ-ル、THIP、ジアゼパム、クロニジンの脊髄椎側適用により抑制された。エンケファリンの抑制作用は洗滌後速やかに消失したが、モルヒネおよびダイノルフィンの作用は洗滌後30〜60分持続した。これらのオピオイドの作用はナロキソン適用により消失した。スパンタイドの抑制作用は洗滌後40〜60分後に消失した。一方、ムシモ-ル、THIPの抑制作用はビキュキュリンにより、ディアゼパム、クロニジンの作用はそれぞれフルマゼニル、イダゾキサンにより拮抗された。このカプサイシン誘発電位はカルチトニン遺伝子関連ペプチドあるいはビキュキュリンの脊髄側適用により、またプロスタグランジンE_1、E_2、I_2、セロトニン、ノルアドレナリンおよびP物質の皮膚側適用により著しく増大した。以上の結果から第一にカプサイシン誘発電位は侵害反射の一種で、この電位の発生にP物質やNKAが関与していることが示唆される。第二にスパンタイドの作用はナロキソンで拮抗されないことから、タキキニン拮抗薬系の中からでてくる鎮痛薬は非麻薬性の可能性が強いと思われる。第三にムシモ-ル、THIP、ジアゼパムなどのGABA系薬物、クロニジンなどのα_2アゴニストなどの関連物質からも非麻薬性鎮痛薬が開発される可能性が考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)