胃運動性異常に起因する粘膜局所機能の変化及び損傷発生への関連性
Project/Area Number |
01571260
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
竹内 孝治 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (00150798)
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Project Period (FY) |
1989 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | インドメタシン / 胃粘膜損傷 / 胃運動亢進 / 血管透過性 / 虚血-再灌流 / 血糖 / 内因性プロスタグランジン |
Research Abstract |
インドメサシン(25mg/kg)を使用した今回の実験結果により、胃運動性異常に起因する粘膜損傷の発生に関して以下の知見を得た:1.胃運動亢進はそれ自身で粘膜上に非出血性損傷を誘起させるが、粘膜内プロスタグランジン(PG)含量の低下は運動亢進に基ずく粘膜変化が出血性の損傷へと進展する過程において重要な役割を演じていることが示唆された2.胃運動亢進に基ずく粘膜内の初期変化として血管透過性の亢進が観察された。また、この透過性の変化は、損傷における局在性と同様、粘膜趨(ヒダ)に沿って認められた。血管透過性の変化は非出血性損傷の発現に先行するが運動性変化の発現と比較して若干遅れて認められることより、この血管系の変化は運動亢進により惹起されるものであることが推察された。また、粘膜内の過酸化脂質量(lipid peroxidation)も血管透過性の変化と時期を同じくして増加が認められた。これらの変化は胃収縮を阻害するatropineばかりでなく、xanthine-oxidase阻害薬であるallopurinolによって有意に抑制された。3.Laser flowmeterにより測定した平均胃粘膜血流はインドメサシンによりあまり影響を受けなかったが、胃運動の亢進に伴い大きく変動し、胃壁の収縮時には著明な低下、弛緩時には正常レベルへの回復が繰り返し観察された。このような胃粘膜血流の変化はatropineにより胃収縮を阻害することにより完全に消失した。4.インドメタシンによる胃運動促進作用は迷走神経切断により消失し、逆に副腎摘出ラットにおいて著明にpotentiateされた。副腎摘出により血糖は著しく低下しており、また、上述した変化は外因性のPGばかりでなく、glucoseの投与により抑制された。恐らく、低血糖はインドメタシンのglycoprivic responseを助長しておりまた、内因性PGの低下はglycoprivic responseを介する迷走神経の興奮作用を促進するものと推察された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)