DNA分析によるサラセミア症の病態解析と遺伝子の制御研究
Project/Area Number |
01571273
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory medicine
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
上田 智 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40068987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原野 恵子 川崎医科大学, 医学部, 助手 (00069072)
原野 昭雄 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (60069028)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | β-サラセミア / PCR法 / 遺伝子解析 / クロ-ニング / 異常血色素 / スプライシング |
Research Abstract |
1.β^0-サラセミア(Thal)-Hb San Diego症の遺伝子増幅法(PCR)による病態解析、遺伝性赤血球増加症を呈する患児とその両親の抹消血液検査、血球形態検査、ヘモグロビン(Hb)分析、Hb機能検査、Hb構造解析、Hb合成試験の結果からβ^0-Thal-Hb San Diego症と診断した症例の抹消血液の白血球から得たDNAを解析し、この家族の病態を遺伝子レベルで解明した。患児のDNAと1対の合成プライマ-、各種のdNTPおよび増幅反応酵素Taq DNAポリメラ-ゼをProgrammable Thermal Controllerで変性、アニ-リング、伸長反応を繰り返し、増幅DNAを得、M13ファ-ジベクタ-に組み込み、1本鎖DNAを調製後、dideoxy法で塩基配列を決定した。この結果、1方のクロ-ンからスペライシングにおいて重要な塩基配列であるIVS2-1G→Aの変換がみられβ^0-Thalの原因に考えられた。このクロ-ンはβ91コドンにsilent mutationを伴うものであった。β様遺伝子群の制限酵素マッピングから得たハプロタイプは、これまで地中海沿岸諸国で発見されているものとは異なった特異なものであった。また、β遺伝子Exon3領域を含むクロ-ンからはβ109GTG→ATGのHb San Diego〔β109 Val→Met〕を示す塩基変換が見られた。このことから患児はβ^0-Thal-Hb San Diegoの二重ヘテロ接合体であることが明らかとなった。また、母親のDNA解析からはβ^0-Thal遺伝子の存在が、また父親のそれからはHb San Diego遺伝子がそれぞれ確認された。 2.PCR法による異常血色素の構造解析:異常Hbの構造はグロビン鎖遺伝子の塩基配列の変異によって引き起こされるものである。異常Hb保因者からのDNAをPCRで増幅し、遺伝子解析を試み種々の異常Hbのタンパク分析結果と遺伝子の変異とを比較検討し、PCR法を応用した血色素異常症の解析は、検査診断医学分野における重要な解析法となると思われた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)