敗血症における外来性成長ホルモン投与の栄養学的意義について
Project/Area Number |
01571286
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大熊 利忠 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (60128262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 健二 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (80204022)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Keywords | 敗血症 / ヒト成長ホルモン / 蛋白代謝 |
Research Abstract |
敗血症ラットに対しヒト成長ホルモン(以下GH)を投与し以下の知見を得た。経中心静脈高カロリ-輸液モデルを作成し、以下の4群に分け4日間の代謝実験を行った。I群(n=10):コントロ-ル、II群(n=19):盲腸結紮法による敗血症作成。III群(n=10):敗血症+GH100mU投与。IV群(n=14):敗血症+GH200mU投与。その結果累積窒素バランスではII、III群はI群に比し著しく不良であり、IV群はI群とほぼ同等であった。累積尿中3メチルヒスチジン排泄量は敗血症群で高値となったが、敗血症各群間では明らかな差を認めなかった。5日目犠死時の血液生化学検査では血清アルブミン値は敗血症群ではいづれもコントロ-ル群に比し、著しい低下を認めたが、IV群で改善傾向を認めた。BUNはII、III群で高値となったが、IV群はI群とほぼ同等であった。血糖値、血中インスリン、血清脂質(中性脂肪、コレステロ-ル、ケトン体等)はいづれも敗血症3群で高値となったが、GH投与による明らかな影響は認められなかった。以上の結果より、高度侵襲を伴う敗血症においては十分な蛋白代謝改善効果を得るためには高用量のヒト成長ホルモン投与が必要であり、臨床においても各種侵襲下において至適な投与量が存在する可能性を初めて明らかにした。またヒト成長ホルモン投与による蛋白代謝改善効果は主として蛋白合成の亢進によるものであり、また主として臓器蛋白に好影響を与えるものである事を明らかにした。敗血症に伴う糖、脂質代謝の変動は成長ホルモン投与による影響を受けない事が判明した。以上より臨床においても各種侵襲下にヒト成長ホルモンを投与する事により蛋白代謝の改善、ひいては患者の救命に貢献するであろう事が示された。
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Report
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Research Products
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