Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
多くの情報量の中から必要とされる情報をすみやかに選別し,一定の操作手続きに基づき作業を繰り返す画像情報探索プログラムを作成し,このプログラムに基づく作業を実験的に提示することにより,若年者,高齢健常者間による情報選別能,及び操作能の年代的特異性や共通性について分析,評価を行い,情報化社会に対する高齢者の作業能力の一側面を明らかにした。 ソフトウェアの開発では,CRT画面上に表示された三桁数列群(一つの信号数列と複数の雑音数列により構成:シリ-ズ1の雑音数は3,同2は7,同3は11,同4は15)の中から指定された数列(信号数列)のみを抽出し,一定の操作手続きに基づき次の数列群画面へと連続的に変化させる画像情報探索用プログラムを開発した。当該プログラムを利用した実験的計測は,スペ-スキ-のみの操作で作業の継続を行なう実験〔I〕と,スペ-スキ-にカ-ソルキ-の操作を加えた実験〔II〕により構成されており,双方の実験は隔日をおいて実施した。計測対象者は高齢女性11名(61〜70歳)とその対照群として若年女性11名(21〜28歳)であった。 実験〔I〕における探索時間は,両群共に雑音数列数の増加に伴い規則的な増加傾向を示し,高齢群の探索時間は若年群とそれに比較して各シリ-ズ共に4倍近くも必要とした(p<0.01)。一方,実験〔II〕においては,若年群では作業時間(探索時間+操作時間)と雑音数列数の多寡との間に対応関係が成立していたのに対して高齢群ではその傾向を認め難く、このため雑音数列数の増加により群間差は狭まる傾向を呈した。操作時間の算出結果(実験〔I〕ー実験〔II〕)からは,高齢群で成績の二分化傾向が検出されており,操作所要時間と基本的属性(判断・動作検査,大小分類検査等)の関連性が窮われた。
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