Project/Area Number |
01580059
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
小川 昭二郎 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (20013196)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Keywords | キトサン / 消臭材 / L-アスコルビン酸 / 消臭フィルム |
Research Abstract |
包装材をはじめとするプラスチックの廃棄が大きな社会問題となっている現状に鑑み、本研究では特に食品類の包装を目的とて無害で安全性が高く、成分解性が期待てきる消臭機能をもつフィルムの作成を行うことを目的とした。これは2価鉄イオン-L-アスコルビン酸系複合体の消臭作用を利用するもので、この複合体は安全、無害であると同時に殺菌作用、鮮度保持の点でも優れていることが確認されている。またフィルム材としてセルロ-スに次いで大量に存在する安全無害な資源といわれるキチンの加水分解物であるキトサンを選んだ。これはキトサンがL-アスコルビン酸水溶液に溶解するため、L-アスコルビン酸を含んだ状態でフィルム状に成形できるためである。キトサン/L-アスコルビン酸水溶液からフィルムを作成し、2価鉄塩を添加したところ、アンモニア及び有機アミンに対し高い消臭機能をもつキトサン/2価鉄イオン/L-アスコルビン酸三成分系のフィルムを得ることができた。しかし、得られたフィルムは硬く強度の低いものであったため、本研究ではキトサンを含むポリマ-ブレンド系についてフィルム強度及び消臭性について検討を行なった。添加ポリマ-としてヒドロキシエチルセルロ-ス(HEC)を用いたところ、柔軟性のあるフィルムが得られた。また、HECをキトサンの2倍量加えたフィルムが最も消臭率が高かった。更にHECを加えたフィルムはアスコルビン酸の有無にかかわらず初期には高い消臭効果をもつが、アスコルビン酸を含むものの方が消臭効果が持続することがわかった。メルカプタンに対してはアンモニアより消臭効果は低いが、アスコルビン酸の効果が見られた。現在までのところ、HEC:キトサン:アスコルビン酸=2:1:1のフィルムをFeCl_2処理したものが最も消臭効果、強度共に高いことがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)