Project/Area Number |
01580161
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物質生物化学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 忠雄 大阪大学, 医学部, 助教授 (10028524)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 酸化的りん酸化反応 / F_1iF_OーATPase / 活性調節因子 / ATPaseインヒビタ- / 9K蛋白 / 15K蛋白 |
Research Abstract |
1.調節サブユニット欠失変異株酵母の作成 すでにATPaseインヒビタ-、9K蛋白を欠失した変異株酵母を作成しているので、本研究ではさらに15K蛋白を欠失した酵母の作成をめざした。15K蛋白をコ-ドする遺伝子をクロ-ニングし、同遺伝子の中にヒスチジン合成酵素遺伝子を導入し、相同組換により15K遺伝子の欠失した酵母を作成した。同蛋白の欠失はウエスタンブロット法およびHPLC分析により確認した。 2.各調節サブユニット欠失酵母、およびミトコンドリアの性質 ATPaseインヒビタ-、9K蛋白および15K蛋白のいずれを欠失した酵母を作成しても、それぞれの酵母は非発酵性糖源(グリセロ-ル等)を利用して成育できた。また各変異株酵母より分離したミトコンドリアは正常のミトコンドリアと同じ速度でATPを合成した。これらのことは三調節因子いずれもATP合成には直接関与していないことを示している。しかしATPaseインヒビタ-を欠失したミトコンドリアはATP分解反応においては他のミトコンドリアとは異る性質を示した。即ち、ミトコンドリア膜ポテンシヤルの存在するあいだはいずれのミトコンドリアにおいてもATPを合成し、ATP分解は行わないが、ミトコンドリアの膜ポテンシャルが低下、消失した時には、ATPaseインヒビタ-を欠失したミトコンドリアのみにおいて強いATP分解が観察された。15K、9K蛋白を欠失した場合には若干のATP分解が起きたが一過性であった。これらのことはミトコンドリアの膜ポテンシャルに対応したATPaseインヒビタ-のF_1F_0ーATPaseへの結合・解離機構があることを示し、ATPaseインヒビタ-は膜ポテンシャルが低下した時F_1iF_OーATPaseに結合し、ATPの無駄な水解を防いでいることが明らかになった。
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