プロテインキナ-ゼによる酵母リン脂質代謝調節機構の解明
Project/Area Number |
01580184
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
代謝生物化学
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
仁川 純一 群馬大学, 医学部, 講師 (00134271)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 酵母 / リン脂質 / 蛋白リン酸化 |
Research Abstract |
酵母のリン脂質代謝調節におけるプロテインキナ-ゼの役割を明らかにするために、プロテインキナ-ゼの変異株を用いてリン脂質合成酵素の活性を調べ、さらに合成酵素の遺伝子の発現についても検討した。 まず酵素活性については、PS合成酵素の活性が、プロテインキナ-ゼの活性が低くなっている変異株においては、3-4倍上昇していることがわかった。このことから、プロテインキナ-ゼによりPS合成酵素がリン酸化をうけ、活性が低下することが強く示唆された。このプロテインキナ-ゼによる酵素活性の調節は、PS合成酵素に特異的であり、PI合成酵素、CDPコリン合成酵素の活性に変化はみられなかった。 次にPS合成酵素の活性の変動が転写・翻訳レベルか、それ以後であるかを明らかにするために、PS合成酵素の遺伝子と大腸菌のlacZ遺伝子との融合遺伝子を作り、lacZにコ-ドされるβ-ガラクトシダ-ゼの活性を指標として、PS合成酵素遺伝子の発現の程度を調べた。その結果PS合成酵素の発現は、プロテインキナ-ゼの活性が高くなった株でも、低くなった株でもそれほど大きな差はみられなかった。このことから、プロテインキナ-ゼはPS合成酵素の発現には影響を与えず、翻訳後の修飾、おそらくは直接リン酸化を介して活性を調節していると考えらえる。しかしながら、これとは別に、増殖停止期においてはプロテインキナ-ゼの活性が高くなった株では低くなっている株に比べて、PS合成酵素の発現が25倍高くなっていたことから、増殖時期におけるPS合成酵素活性の調節には、プロテインキナ-ゼを介した遺伝子発現の変動が関与している可能性も考えられる。この点については現在検討中である。
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Report
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Research Products
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