放射線による神経症状に高感受性な突然変異への遺伝学的アプロ-チ
Project/Area Number |
01580215
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
蒲生 寿美子 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (40128765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 寿博 愛知県がんセンター研究所, 分子生物学研究室, 研究員 (90201938)
中嶋 英治 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (30079074)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Keywords | ショウジョウバエ / 放射線感受性(rad-S) / 神経症状 / P因子挿入突然変異 / ナトリウムチャンネル |
Research Abstract |
ショウジョウバエの放射線による神経症状(痙攣や麻痺等歩行障碍)に高感受性な突然変異体rad-Sを分離することを目的に、次の実験を行った。 1.放射線による神経症状に高感受性な突然変異体を得るためにショウジョウバエ成虫が本当に適しているか、またスクリ-ニングの指標を何にするかを調べるために、既に分離されているDNA修復突然変異体成虫にγ線照射した。照射効果の判定に、致死とノックダウンを用いたところ、致死はDNA障害と関係するが、ノックダウンは関係しないことが分かった。神経症状のスクリ-ニングには成虫のノックダウンを用いることが適当である。 2.すでに得られているrad-S1は自然誘発による。自然誘発突然変異の約70%はトランスポゾンによると言われている。ショウジョウバエの最もありふれた最も突然変異率の高いP因子をこの系統が保有してるかどうか、交雑による生殖腺不妊とP因子をプロ-ブにしたブロットハイブリダイゼイションを用いて調査したところ、P因子を保有しないことが明らかとなった。 3.rad-S1が第2染色体上にある遺伝子と判っているため、主にジャンプスタ-タ法の交配により、第2染色体にP因子が挿入したラインを数百固定した。今後更にP因子挿入を続けると共に、ノックダウンによるスクリ-ニングを始める。 4.神経活動を担っているのは各種のイオンチャンネルである。ショウジョウバエではK^+チャンネルとNa^+チャンネルの突然変異体が分離されている。これらの突然変異体のうちK^+チャンネル2、Na^+チャンネル3系統成虫のγ線照射の結果、Na^+チャンネル構造遺伝子paraが高感受性を示した。更に、paraの突然変異体を集め詳しく検討中である
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)