Project/Area Number |
01580242
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
自然地理学
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 守 筑波大学, 地球科学系, 講師 (10153644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古藤田 一雄 筑波大学, 地球科学系, 教授 (40015540)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 都市気候 / 下向長波放射 / 都市大気の乾湿 / 都市面構造 / 遮蔽率 |
Research Abstract |
都市は人間活動の最大の集積場であり、自然環境の最大の変質場である。自然面の人工面化・都市構造の高密化に伴い、熱エネルギ-の再配分の改変と人工熱・水分・汚染物質の放出がみられる。長波放射成分が都市面構造と都市の高温多湿汚染大気による上下2段階の遮蔽効果の影響下にあるという「都市の長波放射場モデル」を提案し実証中である。本年度は、都市の乾湿状態、とりわけ実態すら不明である都市大気の水分絶対量を示す水蒸気圧・絶対湿度の改変の実態と、それが長波放射場の水平構造に如何に関与しているかを野外観測に基づき考察した。(1)調査対象都市は、都市構造の異なる土浦市(DID人口5.1万人、面積11.1km^2)、つくば市(2.4万人、7.7km^2)、下妻市(0.7万人、2.1km^2)である。つくばは新計画都市でビルと公園が調和よく配置され、土浦は典型的な地方中都市で低中層家屋が密集、下妻は地方小都市で密集度がやや低い。3都市内外の多数地点(282点)において、遮蔽率分布図を修正、乾湿分布に重要な非透水性物質の被覆率分布図を作成した。両者はほぼ類似した分布を示すことが判った。(2)3都市の282地点において気温・湿度の3都市同時の移動観測(3夜間、12回)を実施した。寒候季快晴夜の理想的な資料は得られなかったものの、ヒ-トアイランド現象は常時みられ、相対温度は都市内で常に約3〜12%も低かった。しかし注目の水蒸気圧・絶対湿度はむしろ都市内で高い場合が多く(土浦・つくばでは常に高い)、0.8g/m^3も多湿になる場合さえみられた。非透水面化されていても都市大気は多湿化されている場合の多いことが判明したわけである。(3)同時に観測した長波放射成分は遮蔽率と遮蔽物面温度でほぼ第1近似的に規定されるが、両者の対応関係には、遮蔽率の大きい場ほど実際の下向放射を過小評価する傾向がみられたが、高温化のみならず多湿化された都市大気の効果を加えることで修正できる見通しが得られた。成果の一部は環境科学会(1989年11月)で学会発表した。
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