ヒトT細胞白血病ウイルスの遺伝子産物によるプライシングの調節機構
Project/Area Number |
01580252
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分子遺伝学・分子生理学
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
清木 元治 金沢大学, がん研究所, 教授 (10154634)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | HTLV-1 / スプライシングの調節 / rex / LTR |
Research Abstract |
ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)の遺伝子発現は2つのウイルスタンパクによって制御されている。その内の一つのRexタンパクはスプライシングによって生ずるウイルスRNAの量比を調節することによってウイルスの産生を制御している。具体的にはGag,Envタンパクをコ-ドするイントロンを持つRNAは細胞質での蓄積がRexによって促進される。逆にRexをコ-ドする完全にスプライスしたRNAの蓄積は抑制される。これまでにRexによるmRNAの制御にはウイルスRNAが3′側に持つ260bpのLTRに由来する配列が必要であることを明らかにしている。 Rexによる制御に必要なシスエレメントについて、癌研究所吉田部長のグル-プとの共同研究により以下のことを明らかにした。 1、3′LTRの260bpは一部のU3とRの大部分を含む。Rの部分は5 LTRにも含まれているがそれだけではRexに対するシグナルにはならず、3 LTRを持つことがRexによる調節を受けるために必要である。 2、しかし、5′LTRのU5領域を欠失させるとRexに対する反応性が減少した。 3、このときのRNAをノ-ザンブロットで調べるとRexの非存在下にも拘わらずイントロンを持つRNAの細胞質への蓄積が増加していた。 以上のことから、5′LTRのR領域はそれ自身でRexタンパクと同様の効果を持つ。しかし、通常にはU5領域が存在することによってウイルスRNAがRexによって制御可能となることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)