水和を考慮したタンパク質の変性と他分子との相互作用に関する研究
Project/Area Number |
01580263
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物物性学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大畠 玄久 京都大学, 化学研究所, 助手 (70142297)
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Project Period (FY) |
1989 – 1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1989: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | タンパク質の熱変性 / タンパク質の比熱 / 生物物理学 / 水和エネルギ- / 水の接触表面積 / 分子間結合定数 / 変性のエンタルピ- / 変性のエントロピ- |
Research Abstract |
タンパク質の熱に対する安定性やタンパク質と他の分子(基質やDNAや糖)との相互作用に関する理論的研究は、従来真空中でのみ議論されてきたが、タンパク質の水和を考慮することによって実験値と適合する値を理論的に計算できることを示してきた。即ち方法論として、タンパク質の自由エネルギ-の温度移依性をどんな実験が解っているかに応じて、次の3種類の新しい方法で予測できることを見つけ出した。 A、X線によるタンパク質の立体構造とある温度での転移エンタルピ-の実験値を入力として使用する。 B.X線によるタンパク質の立体構造のみを入力として使用する。この計算の中の真空中のエネルギ-の定数はタンパク質の熱変性の実験値より決定したが、さらに精度よく決定するためには、いろいろなタンパク質の熱変性実験が不可欠である。 C.タンパク質を構成しているアミノ酸残基の個数のみを入力として使用する。この方法は実験的にはタンパク質のアミノ酸分析だけを行えばよいので、最も簡単で画期的な方法である。 これらのタンパク質の熱変性の問題は、タンパク質と他分子との相互作用に対しても同様に適用される。即ちタンパク質の生状態がタンパク質と他分子が結合した状態に対応し、ランダム状態が両者が離れた状態に対応する。真空中の議論では両者が結合した時に生ずる実験的なエントロピ-の増加を説明できないが、水和を考慮することによって説明が可能になった。 今後は水和エネルギ-のパラメ-タ-の決定、タンパク質の熱変性実験の予測、タンパク質と基質、DNA、糖等との相互作用の計算及び実験を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)