精製法と純度に重点をおいた大学一般教育化学実験種目の開発
Project/Area Number |
01580273
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
科学教育(含教育工学)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
務台 潔 東京大学, 教養学部, 教授 (80012326)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 精製 / 純度 / 高速液体クロマトグラフィ- / 一般教育化学実験 |
Research Abstract |
物質の精製という操作は化学実験の中でも重要な位置を占めていて、教養課程の学生実験においても取り入れられている。しかし、この操作も、従来は実験の流れのなかで行っただけで終わってしまいがちであった。その理由の一つは、操作に対する評価が困難である点にある。有機化合物においては、固体となる試料の場合は融点測定が評価法として使われていたが、学生の操作を見ていると、自分の合成した試料に対しては融解の温度幅読みとりに主観が入りがちであった。この点を改良する目的で、先に薄層クロマトグラフィ-(TLC)法を導入し、不純物の存在の有無を視覚的に検知し、精製の結果を客観的に評価できるようにしたことによりかなりの成果を得た。 高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)法も客観的な評価法であるが、その特徴はTLC法とは比較にならないほど高感度なことである。そこで、従来、TLC法を採用していたアセトアニリドからp-ニトロアニリンの合成にHPLC法による評価を併用させて、学生からの感想を求めた。その結果、予想したことではあるが、学生に最も強い印象を与えたのは、純度というものの定義が、融点測定、TLC法、HPLC法と、評価方法によって歴然と変わるということであった。このことは、既に頭では理解できていたことではあるが、経験したことは初めてであったようである。学生の中には、さらに進んで、不純物が合成の段階の何処で生じたのか、またその構造を同定するにはどうしたらよいか、HPLC法を反応のモニタ-にして利用できないか、等の課題を自ら見出し検討した者もおり、HPLC法の導入は予想以上に成功したと考えている。また改めて、不純物の存在と検出という問題一般に気付かせた点でも成功であった。
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Report
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Research Products
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